未上場の株式会社が、新規に株を公開し、証券取引所を通じて売買できるようにすることをIPO(Initial Public Offering)といいますが、新興企業にとっては飛躍のチャンスともなるIPOのポイントを整理しておきましょう。

IPOによって多額の資金調達も可能

IPOは、日本語では「新規公開株式」「新規上場株式」と呼ばれています。いまや大企業として知られる著名企業でも、設立当初は従業員が数人で、株式会社の体裁はとっているものの、株を保有しているのは、社長やその家族、親戚、友人というケースは多くあります。しかし、事業が順調で、それなりの規模に成長していくようになると、さらなる成長を目指すためには、多額の資金が必要となってきます。

企業にとってIPOが飛躍のチャンスとされているのは、それまで非公開だった株を公開することで、金融市場から広く資金を調達しやすくなることです。金融市場から資金調達することにより、設備の拡充や人材獲得、研究開発など、企業の成長に必要な投資を幅広く行うことが可能となります。

IPOのメリットとデメリット

株式市場に未公開株を新規上場するIPOは、上述のとおり企業にとっては資金調達がしやすくなるというメリットがありますが、公募価格よりも高い初値がつくことがほとんどですから、投資家にとっても大きな魅力です。

もちろん、上場後に株価が下落する可能性がありますし、上場すれば敵対的買収の可能性も生じます。メリットがある一方、リスクがあることも押さえておく必要があるでしょう。

IPOの件数は、リーマンショック直後には激減しましたが、それ以降は右肩上がりで増加し、2019年は86社、2020年は93社と、ここ数年は90社前後で推移しています。コロナ禍で上場承認後に18社が中止になりましたが、今後も増加傾向が続くだろうというのが大方の一致した見通しのようです。

コロナ禍でIPOを目指すために必要な管理体制づくり

株式市場への上場を果たすということは、一流企業として社会的にも認知されることにつながりますから、上場審査をパスして公開企業になるためには、制度構築や人員確保など、さまざまな内部管理体制を整備する必要があります。

また、株式公開後は上場企業としての社会的責任や経営責任も問われることになります。決算公告や有価証券報告書の法定開示、投資家へのIR活動やコーポレートガバナンス・コード(企業統治のガイドライン)の公開などにも取り組まなければなりません。

企業にとってIPOは飛躍のチャンスですが、管理部門の整備などの課題も多く、上場審査のハードルを越え、上場企業としての社会的地位を確立するのは、決して容易なことではありません。

IPOを目指す企業には、確かな利益計画や資本政策が求められますが、同時に管理体制の強化も重要です。ポストコロナ時代となり、テレワークが増加し、管理体制の強化の仕方も、これまでと大きく変化してきています。

Manegyでは、IPO準備に必要なバックオフィス向けのシステム選定のポイントや、コロナ禍での管理体制づくりなど、これからのIPOに必要な情報を、特集企画「コロナ時代のIPO戦略」としてまとめています。IPOを目指している企業のご担当者は参考にしてみてはいかがでしょうか。

「コロナ時代のIPO戦略」


まとめ

厳しい上場審査をパスして、株式上場企業となることは決して簡単なことではありません。準備に3年は必要ともされていますが、それまでは身内だけで保有していた株を投資家にも買ってもらえるようになることは、一人前の会社として世間に認知される第一歩です。株式会社を設立したなら、経営者としては、やはり株式上場を目指すべきではないでしょうか。