帝国データバンクは、「TDB景気動向調査」(2021年3月)とともに行った「2021年度の業績見通しに関する企業の意識」によると、増収増益を見込む企業は27.4%(13.9ポイント増)で、減収減益を見込む企業は26.0%(18.4ポイント減)と、業績の増減では拮抗していることがわかった。

増収増益を見込んでいるのは自動車・同部品関連の「輸送用機械・器具製造」が40.4%でトップとなり、減収減益では、総合スーパーを含む「各種商品小売」が最も高い結果となった。

業績見通しの上振れ材料は、新型コロナウイルスに関する「感染症の収束」が45.6%でトップ、次いで、「個人消費の回復」が前回調査より8.1ポイント増加の42.9%、以下、「公共事業の増加」「経済政策の拡大」「中国経済の成長」「米国経済の成長」が続いている。

一方、下振れ材料も「感染症の拡大」が54.7%で最も高く、「個人消費の一段の低迷」(35.4%)が続いている。上振れも下振れも、新型コロナウイルス感染症による個人消費の動向次第との判断であろう。

また、企業は「ワクチン接種で感染を防ぐことができれば、経済は立て直せる」と期待している様子がうかがえるが、その頼みのワクチンに関しては、いつまでにどのくらいの量が届くのかさえ政府から示されていない。

しかも、個人消費の期待がかかるGWの直前に、時短要請ではなく休業要請も視野に入れた3度目の緊急事態宣言が東京、大阪、京都、兵庫の4都府県で発令された事で、上振れ材料として見込まれていた「感染症の収束」も「個人消費の回復」も、緊急事態宣言以降の状況次第で期待が難しくなった。政府は緊急事態宣言の解除には慎重な姿勢を見せており、増収増益を見込む企業がこの先どのような見通しを立てるのか、まさに今が正念場といえるだろう。