「年次有給休暇取得の義務化」(2019年4月)が施行となり、年次5日の有給休暇取得が法律で義務付けられているが、人材不足が深刻な中小企業の有給休暇取得状況は、どうなっているのだろうか。

厚生労働省が発表した2019年の就労条件総合調査によると、有給休暇の取得率(付与日数に対する消化日数率)は56.3%で過去最高となった。しかし、「有給取得推奨日以外の取得は難しい」、「自由に取得することは難しい」、「有給を使ったことがない」の回答も25.7%で、取得率向上には課題があることも明らかになっている。

有給取得を阻んでいるのが「人員不足」「業務をカバーする体制がない」という点である。人員にゆとりのある大企業はともかく、最小限の人員でやりくりしている小規模企業にとって、有給休暇取得のハードルがコロナ禍によってさらに高くなっているようだ。

日本労働調査組合が全国の20〜49歳会社員の男女530名を対象に実施した「中小企業の有給取得に関するアンケート」によると、「有給休暇を自由に取得できる/23.0%」「ある程度自由に取得できる/51.3%」となり、合わせると74.3%が有給休暇を取得しやすい環境にあることがわかった。

しかし、「有給取得推奨日以外の取得は難しい/7.2%」「自由に取得することが難しい/9.6%」「有給を使ったことがない/8.9%」との結果から、まだまだ改善が必要な現状がみえてくる。

有給取得が難しい理由の1位は「人員不足/40.8%」で、2位には「休んだ人の業務をカバーする体制がない/39.8%」が続いている。有給休暇取得の妨げになっているのは、やはり人員不足による人員配置の難しさであるようだ。しかし見逃せないのが3位に入っている「職場に取得しにくい雰囲気がある/34.5%」である。

有給休暇の取得率を上げていくために必要なのは、経営側からの積極的な働きかけと、取得しやすい職場環境を整えることである。大企業と違って、有給休暇取得に合わせた余剰人員を抱える余裕がない小規模企業にとっては、そう簡単なことでもないだろう。

残業時間の削減などの働き方改革にも取り組まなければならない中、限られた人員でいかに業務効率を高めながら、有給休暇を取得しやすくするか・させるかが問われることになりそうだ。