政府は、6月30日までに霞が関の各省庁でFAXの利用を原則廃止し、電子メールに切り替える方針を6月7日に各省庁に連絡しました。DX(デジタルトランスフォーメーション)化が叫ばれるなか、日本のDX促進につながるのでしょうか。

FAX廃止で進むか?霞が関のDX化

大手企業やIT関連企業を中心に、積極的にDX化に取り組む動きが加速しています。経済産業省は、2018年に、日本企業がDXを進める動きを加速すべく「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」を発表しました。

また、総務省でも「自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画」を策定したほか、デジタル庁の創設など、霞が関ではDXの推進を強力に後押ししています。

しかし、DXに取り組んだものの成果が感じられないという企業も多く、省庁や地方自治体でも、なかなか進んでいないのが実態のようです。非効率な行政組織や複雑な手続きなどがネックとなっているようですが、そもそも旗振り役である霞が関のDX化が、ようやく脱ハンコやFAX廃止を皮切りに始まろうとしているのです。

DXの日本語訳は「デジタル変革」

DXとは、スウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」と、2004年に提唱したことから広まりました。

DXは「デジタルトランスフォーメーション」の略称ですが、英語圏ではトランスフォーメーションの“トランス”を「X」と表記することがあるため、DXと略されているようです。変化や変換という意味で、日本では「デジタル変革」とも訳され、デジタル技術やデータを活用してのサービス自動化や、作業を効率化する取り組みを指します。

では、デジタル庁新設や行政のDX推進、そして民間企業へのDX推進支援など、なぜDXへの取り組みが必要と言われているのでしょうか。

2025年の崖

経済産業省が2018年にまとめたレポートによると、既存のITシステムが老朽化・肥大化して運用や保守に多大なコストが必要となり、「2025年以降、毎年最大で12兆円もの経済損失が発生する」としています。

経産省では、これを「2025年の崖」と表現していますが、DXの推進は、それを回避するためのもので、元IT政策担当大臣だった平井卓也氏をデジタル改革担当大臣に起用して、菅政権の目玉政策の一つに掲げています。

新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに広がったテレワークやオンライン会議、対面型サービスから非対面型サービスへのシフト、さらにこの先も5Gなどの大容量通信や、自動運転の技術などのDX化が、ますます加速していくことが予想されます。民間企業もこのDX化の流れに乗り遅れるわけにはいきません。

管理部門のDX化で得られるメリット

民間企業での取り組みで大きな鍵を握るのが、他部門に比べて遅れている管理部門のDX化です。

管理部門をDX化すると、自動化ツールなどを活用した、作業時間の短縮、業務の効率化などによる生産性の向上と人件費抑制などのメリットがあります。

また、短縮された作業時間を有効活用することで、新しいビジネススタイルの構築や新商品・サービスの開発に時間を割くこともできるようになるのではないでしょうか。

まとめ

デジタル技術の進化によって、社会や暮らしがより便利で快適になり、そして働き方にも多様性が求められています。まさに変革が始まっているわけです。
その流れに乗り遅れないよう、DX化への取り組みは欠かせないものといえるでしょう。