多様な働き方を容認する動きが広がるなか、正社員ではなく非正規雇用を選択する人も多い。組織に縛られることなく柔軟な働き方が得られる一方で、収入など待遇面での不安定さも大きな課題である。

ところで、コロナ禍における正社員と非正規雇用者の働き方は、勤務先での対応に違いがあるのだろうか。

日本労働組合総連合会が実施した「コロナ禍における非正規雇用で働く人の実態と意識に関する調査2021」によると、雇用形態の違いにより出勤日数や労働時間削減などで違いが明らかになった。非正規雇用者のうち勤務先の対応に「納得がいった」は20.4%、「納得いかなかった」は31.5%で、腑に落ちないと感じている人も少なくないようだ。

非正規雇用者への勤務先の対応として、「出勤日数および労働時間削減」は22.5%、「在宅勤務(テレワーク)の実施」は12.4%、「休業などによる自宅待機指示(業務に従事しない)」は9.8%、「時差出勤の実施」は8.5%、「業務内容の変更」は3.2%となっている。

この対応を、同じ業務に就く正社員と非正規で比べてみると「出勤日数および労働時間削減」については、正社員だけを対象としたのは1.9%、非正規だけが32.1%、正社員・非正規の両方を対象としたのは66.0%である。

「休業などによる自宅待機指示(業務に従事しない)」では、正社員のみ4.4%、非正規のみ22.1%、両方対象が73.5%であった。また、「在宅勤務(テレワーク)の実施」では両方対象が84.2%、「時差出勤の実施」では両方対象が88.1%となった。

対応そのものは、正社員と非正規にそれほど差がないようだ。しかし気になるのは、勤務先が休業や時間短縮をしていた間、非正規雇用者に対し休業手当は支給されたかどうか、である。

結果は、「休業手当は支給されなかった」51.7%、「休業手当は6割未満」9.5%、「休業手当は10割支給された」20.5%、「休業手当は6割以上支給された」18.3%で、労働基準法の規定のとおりに休業手当6割以上支給されたケースは38.8%と、4割にも届いていないことが判明した。

また、コロナ禍により勤務先から受けた労働契約内容変更等の実態だが、「途中解雇」が11.7%、「雇止め」が9.7%、「退職勧奨」が9.1%、「賃金の減額」が12.4%となった。コロナ禍の影響で賃金を減額された非正規雇用者の39.5%が「賃金を減額する労働契約内容の変更には納得できない」と回答している。

非正規雇用者を抱える企業の担当者は、働く人の意識をしっかりと押さえておく必要がありそうだ。