社員が、自分のライフスタイルに合わせて柔軟な働き方を選択できるようにするためには、場所や時間に制限されることがないテレワーク制度を定着させていくことが、有効な手法の一つだ。

日本でも、働き方改革が進むなか、テレワークも徐々に浸透しつつあった。ところがコロナ感染予防対策として慌てて導入した企業も多く、その結果、準備不足のためか数々の課題も浮上している。

テレワークが抱える課題の一つにコミュニケーション不足があるが、感染が拡大した昨年を振り返ってみると、ほとんどの企業が忘新年会や歓送迎会などの社内イベントの中止や、社内研修までもオンラインで開催せざるをえない状況だった。

出社せずに自宅などで仕事をするわけだから、コミュニケーション不足となることは明らかだが、「月刊総務」の調査によると、コロナ禍で「社員同士が対面で会う機会が減った」と感じているのは94.5%で、それがモチベーションにも影響が出ていると感じているのは82.6%にものぼる。

具体的には「気軽なコミュニケーションが取りにくくなった」(72.3%)、「会社と社員とのつながりに課題を感じている」(84.2%)、「会社の方向性を社員に伝えにくくなった」(79.1%)などが多数を占め、そのことによって「社員のエンゲージメント低下」を懸念する割合も95.7%である。

社員のエンゲージメントが低下していることを感じる場面としては、「会社からの方針説明に無関心」、「問いかけへの反応の希薄化や意見の発出率の低下」、「社員の本当の声が届きにくく伝言ゲームがとても多い」、「若手社員で退社する人数が増加」などだ。

なかには「できるだけ出社しないで済まそうと、自分の都合を人に押し付けようとする社員が増えたように感じる」という声もある。これらの課題にどのように対応していくかがこれから問われることになりそうだ。

その対応の窓口となるのが総務だが、社員の声を吸い上げ、それを経営陣にフィードバックする風通しのよい仕組みづくりが必要となりそうだ。