緊急事態宣言の解除によって、「テレワークを継続すべきか、それともオフィス勤務に戻すべきか」、対応は企業によって違うようです。
通常勤務に戻した企業に共通するのは、社内システム導入がうまく機能しなかったことが挙げられています。では、その要因はどこにあるのでしょうか。

4人に1人がシステム導入に失敗と回答

自宅やサテライトオフィスなどから、オフィスと同じようにリモートで仕事を進めていくためには、打ち合わせや社員同士の意思疎通はもちろん、スケジュールを管理するためのツールを効果的に活用することが求められます。そのためには、通信品質の向上や業務の効率化、セキュリティ対策のための社内システムを導入する必要があります。

しかし、通常勤務に戻した企業を見ていくと、最適なシステムを導入することができなかったために、テレワークで思うような効果を得られなかったケースが多いようです。

日本トレンドリサーチとクラウドシステムの企画・開発を行うキャムの調査によると、社内システム構築の担当者の25.7%、4人に1人がシステム導入で失敗したことがあると回答しています。

もちろん、新型コロナウイルスの感染予防対策として、急遽テレワークを導入せざるを得なかったという事情もありますから、担当者のせいばかりとは言えません。ですが、事前に確認を徹底しておけば、システム導入での失敗を防ぐことができたようにも思えます。

4つのシステム導入失敗パターン

「社内へのシステム導入に関する調査」(日本トレンドリサーチとキャムの共同調査)では、新たな社内システム導入失敗のパターンとして、「目的の不明確さ」「既存システムの互換性」「使用法の理解不足」「コストに関する失敗」の4つを挙げています。

システム導入の目的が曖昧になってしまったのは、さまざまなことができるように多機能システムを導入したために、本当に必要な機能が少なく、使い方も煩雑になったことなどです。

また、すでに使用している社内システムに対応していないため、混乱を招いてしまったケースもあります。使用中のシステムとの互換性を、十分に精査しておけば、混乱も防ぐことができたのではないでしょうか。

「使用方法が難しく使いこなせなかった」も失敗パターンですが、入念に準備を進めることで解決できるものですし、コストについても比較検討する時間が十分あれば解決できるものと言えるでしょう。

準備不足での導入がテレワークの効果に影響

新しいシステムの導入が効果を上げるのは、従業員がそのシステムを使いこなすことが前提となります。そのためには、マニュアルの作成や使い方説明会・勉強会の開催などで、従業員の理解度を高めていかなければなりません。

ところが、緊急事態宣言がその準備期間を奪ってしまいました。宣言発令によって、大企業や都市圏では半数超、全国でもおよそ3割の企業が、十分な準備期間がないままテレワーク導入に踏み切ったことが各調査でも明らかになっています。

その緊急事態宣言が解除になったわけですから、これまで通りの働き方に戻すのも自然の流れです。しかし、リモートワークに特化した人材エージェント会社「LASSIC」の調査では、コロナ明けもテレワーク継続を希望する人は9割を超えていることがわかりました。

Slackの「リモートでの従業員体験レポート」では、経営層はオフィス復帰を望み、一般従業員はリモート勤務を望むという、“経営層と一般従業員のテレワークに対する意識の違い”が示されているだけに、リモートワークが定着していくためには越えなければならないハードルがいくつもありそうです。

まとめ

働き方改革推進のキーポイントとされるのがテレワークの定着です。オフィス勤務と同じように業務を進め、効率アップや生産性向上につなげていくためにも、新しい時代にふさわしい新システムの構築を、コロナ感染状況が落ち着いている今こそ検討する必要がありそうです。