新入社員が成長して企業の戦力となっていくためには、目的・目標を設定し、先輩や上司のサポートを受けながら経験を積み重ねていくことが大切である。

ところが、この「目的・目標設定→周囲のサポート→実践的な経験→振り返り」の、いわゆる“成長循環サイクル”が、コロナ禍によって危機に瀕していることが、株式会社日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)の「イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査2021」によって明らかになった。

調査は2020〜2021年入社の新入社員と、新入社員育成を担う上司・先輩社員に対して行ったものだ。その回答のうち「入社後の職業キャリアが描けなくなっている」「コミュニケーションストレスが上昇」が増加傾向にあり、在宅勤務ならではの新入社員教育の難しさを物語る結果となっている。

社会人のスタートがリモート勤務だった新入社員にとっては、通勤の必要がなく時間や場所にとらわれない働き方は、ある意味では受け入れやすいだろう。

一方で、先輩や上司が目の前にいることでメリットもある。例えば、ミスや失敗したときにすぐに相談することが可能な点などだ。
指導する立場の先輩・上司にしても、直接顔を見ながらであれば、表情などから不安や悩みを抱えていることを読み取り対応することもできる。

もちろん、リモート環境であっても、ツールなどを活用することで相談や雑談も可能であるが、半数以上が「相談しにくい」と回答していることを考えれば、職場の関係性の希薄さを解消していく対策がより重要になってくるとではないだろうか。

これまでの新入社員は、失敗を繰り返しながらも周囲の先輩・上司の叱咤激励を受けながら成長してきた。
しかし、コロナ禍の新入社員は、1人自宅で与えられた業務をこなすことになった。
その結果、コロナ禍での新入社員の仕事に対する意識は「挑戦よりも、無理ない範囲で取り組む」という傾向がうかがえる。それは、個人の成長、ひいてはチームの躍進、さらに企業の飛躍にとってプラスとなるのだろうか。

リモート時代に適した「目的・目標設定→周囲のサポート→実践的な経験→振り返り」の “成長循環サイクル”を、改めて見直す必要がありそうだ。