2023年卒業予定者への面接による採用選考が、6月1日に解禁となったことで、就活戦線も本格的に動き出した。しかし、相変わらずの人手不足状態で、今年も売手市場となるようだ。

その人出不足状況だが、帝国データバンクの調査によると、正社員不足を訴える企業の割合は45.9%と半数近くとなり、コロナ禍前の、2019年の50.3%の水準に迫りつつある。

コロナ禍で経済活動が制限されていたことで、人出不足感は一時的に落ち着いた感もあった。しかし、制限解除とともに人手不足割合が再び上昇し、2022年の景気に悪影響を及ぼす懸念材料に「人手不足」をあげた企業は30.6%にものぼる。

とくに人手不足が著しいのが情報サービス業のIT人材の不足で、人手不足割合は64.4%という高さだ。IT人材は、2030年までに約40〜80万人(経済産業省試算)不足するとされているだけに、IT人材の争奪戦が激化することになりそうだ。

情報サービス業に続くのがメンテナンス・警備・検査業の60.1%、そして建設業も59.4%と、いずれも6割前後が人手不足に直面しているというのが実情だ。

その人手不足を補ってきたのが外国人労働者だが、それも入国制限でストップとなり、外国人労働者の就労が多かった建設業では、施工が延期する事態が生じるなど、事業そのものにも大きな影響を及ぼしている。

さて、入国制限も緩和され、外国人観光客の受け入れも条件付きながら再開された。県民割りなど、国内旅行を促すキャンペーンも続々と打ち出され、観光地も久々に賑わいを取り戻しつつある。

観光地が賑わいを取り戻せば、飲食店や旅館・ホテルなど観光関連業の人手不足感が、コロナ禍前にも増して高くなることも考えられる。経済活動の再開に大きな期待が集まると同時に、人手不足問題が再燃する可能性もある。

ちなみに、人手不足を主な要因とする2021年の倒産は104件だった。生産年齢人口の減少などにより、これまで以上に採用が難しくなることも予想されている。アフターコロナでは、人手不足の解消に積極的に取り組むことが、企業の命運を左右することになるのかもしれない。