経営環境が激変するなか、将来のリスクを予測することはますます難しくなっており、いざというときに備える企業保険の重要性は増しています。
企業保険が補償する範囲は、加入する保険によっても違います。その違いについて、基本的なことを押さえておきましょう。

生命保険と損害保険

企業保険は、企業が経営活動中に生じる不測の事故や災害で被害を受けたときに、保険金として支払うことで、企業や従業員のリスクを最小限に抑えるための保険です。

その種類には、経営者や役員・従業員などの死亡や病気・ケガに備えるための「生命保険」と、台風や地震などの自然災害、あるいは火災などの被害、自社の製品に欠陥が見つかったときの損害賠償請求などに備える「損害保険」があります。

また、「生命保険」に関しては、経営者や役員を対象とする「経営者保険」と、従業員を対象とする「福利厚生保険」があり、死亡保険や所得保険、医療保険など、さまざまな種類の保険が用意されています。

一方、「損害保険」は火災保険や自動車保険、運送保険が主なものです。最近は「PL保険」や「個人情報漏洩保険」、「サイバー保険」への加入も増えているようです。

家族も一緒に加入できる「福利厚生保険」

保険は、万が一に備えて加入するものです。資金力の乏しい小規模企業や、創業間もないスタートアップ企業にとっては、もし経営者が病気やケガに見舞われてしまうと、たちまち経営を継続することが難しくなってしまうでしょう。

また、従業員を対象とする「福利厚生保険」は、個人で保険契約をするよりも、企業単位で団体契約をする方が、掛金が割安となるだけでなく、従業員の家族も一緒に加入できる保険もあります。

未加入の企業は、従業員の福利厚生面を充実させるためにも、加入を検討してみてはいかがでしょうか。

節税対策や資金繰り対策にも有効

企業保険に加入するのは、リスクヘッジが主な目的ですが、実は、保険料を損金として計上することができる保険を選択することで、法人税を削減することもできます。

損金として計上できる保険料の額は、保険の種類によって違います。たとえば掛け捨ての医療保険には、全額を損金計上することができる保険もあります。

また、貯蓄性のある保険は、業績が悪化した場合、解約返戻金や契約者貸付で損失の分を補うために活用することも可能です。契約者貸付は、解約返戻金の約9割を借りることができますから、資金ショートの備えとしても活用することもできます。

自社の実状に合った企業保険を選ぶことが重要

企業保険は、経営者や従業員の病気やケガ、あるいは自然災害や事故などで生じた損害に対応するためのものですが、場合によっては節税対策や資金繰りとして活用することもできます。

そのため、自社の実状に合った企業保険を選ぶ判断が重要になります。数多くの企業保険の中から、どの保険を選ぶかは、企業保険の内容を熟知している税理士や弁護士などに相談することも含めて、検討されてはいかがでしょうか。

まとめ

企業を取り巻くリスクも、時代と共に変化しています。たとえば、個人情報が漏洩してしまうと、企業の信頼が失墜するだけでなく、多額の損害賠償も発生します。被害を最小限に食い止め、事業を継続していくためにも企業保険の加入を検討しましょう。