ふるさと納税による全国の各自治体に集まった2021年度の寄付額が8,000億円を超え、過去最高を更新しました。

2021年度は8,000億円を突破

ふるさと納税がスタートした2008年度の寄付額は81億円でしたが、ふるさと納税制度が浸透するのに伴い、順調に寄付額を伸ばし続け、2015年度には1,653億円にまで急増しました。

その要因は個人の寄付上限額が引き上げられたことですが、多くの寄付額を獲得した自治体の返礼品競争が過熱したことも、ふるさと納税が右肩上がりで増加している背景にはあるようです。

この、加熱する一途の自治体の返礼品競争に歯止めをかけるため、「返礼品は寄付額の30%以下の地場産品」などの制限を加えた新制度も設けられました。

新制度適用となった2019年度は、さすがに寄付額も減少しましたが、2020年度は6,725億円と再び上昇に転じ、2021年度はそれを1,000億円以上も上回る8,000億円となり、過去最高を更新しました。

コロナ禍による巣ごもり需要増加も影響

ふるさと納税の寄付金総額が過去最高を更新したのは、コロナ禍による巣ごもり需要増加で、日用品や食料品などの返礼品目当てでの寄付が増えたこともありますが、ふるさと納税制度がしっかりと根付いた証しともいえそうです。

また、行き過ぎた自治体の返礼品競争が、本来のふるさと納税制度の目的から逸脱しているという批判の声も多くなったことで、各自治体が返礼品を見直し、ふるさと納税ができる民間のインターネットサイトを増やすといった工夫も、寄付額増加の追い風となったようです。

ところで、ふるさと納税は“納税”の二文字がついているものの、正確には各自治体への“寄付”です。寄付をして確定申告を行うと、原則として自己負担額の2,000円を除いた全額が所得税と住民税から控除されるという制度です。

自分の意思で応援したい自治体を選ぶことができる制度

ふるさと納税制度は、生まれ育ったふるさとへ恩返しをする税制を通じた制度です。地方都市で生まれ育っても、多くの人が働く場所は都会です。所得税や住民税は、居住地の自治体へ納入しますから、ふるさとへ納税することはできません。

そこで、「自分を育んでくれたふるさとに、納税できる制度があってもいいのではないか」という議論を経て、「生まれ育ったふるさとに貢献できる制度」、「自分の意思で応援したい自治体を選ぶことができる制度」として導入されたのが“ふるさと納税制度”です。

ですから、自分の生まれたふるさとに限らず、どの自治体へも“納税”という名の“寄付”ができます。人口減少で納税額が減る一方の自治体は、少しでも寄付額を集めようと、お得感いっぱいの返礼品を用意することになったわけです。

寄付金の使いみちで選ぶことも可能

その返礼品競争がヒートアップし、寄付額が突出した自治体と総務省とのバトルも勃発しましたが、新制度でルールが明確になったことで、それも落ち着いてきたようです。

各自治体が、ふるさと納税に対する考え方や、集まった寄付金の使いみちをホームページなどで公開しているので、それに賛同する自治体を応援することもできます。ふるさと納税によって集まった寄付金が、地域活性化につながるように使われることが、強く望まれます。

まとめ

ところで、ふるさと納税の名を冠した寄付金詐取の偽サイトも数多く存在し、実際、金銭をだまし取られてしまった被害も発生しているそうですから、十分に注意しましょう。