公益財団法人日本生産性本部が実施した「働く人の意識調査」によると、コロナ禍で導入が進んだテレワークの退潮傾向が明らかになり、テレワーク実施率は令和2年5月の調査開始以来最低の16.2%となりました。

従業員の規模にかかわらずすべての規模で減少

「働く人の意識調査」は、日本生産性本部が、雇用者の勤務先への信頼度や雇用・働き方に対する考え方を明らかにするため、2020年5月以降、四半期毎に実施している継続調査で、今回で10回目となります。

  調査方法:インターネット

  調査期間:2022年7月4日(月)〜5日(火)

  調査対象:20歳以上の日本の企業・団体に雇用されている者(雇用者=就業者から自営業者、家族従業者等を除いたもの)1,100名

従業員規模別のテレワーク実施率の結果を見ていきましょう。

1,001名以上の事業所が27.9%(前回33.7%)、101〜1,000名の事業所が17.6%(前回25.3%)、100名以下の事業所が10.4%(前回11.1%)で、従業員の規模にかかわらず、すべての規模で前回調査(2022年4月)よりも減少しています。

自宅での勤務の満足度も低下

テレワークを積極的に導入してきたのは大規模企業で、それに続くのが中規模企業でした。今回の調査では、大中小いずれの規模の事業所でもテレワーク実施率が減少していることから、出社勤務に戻した企業が増加したことがうかがえます。

しかし、テレワークという働き方へのニーズが高いことは、各種調査でも明らかになっていますし、4月に実施した前回調査では、自宅での勤務の満足度は、「満足している」「どちらかと言えば満足している」を合わせると、過去最多の84.4%を記録しています。この満足度も、今回調査では75.0%に減少しています。テレワークを今後も続けるとすれば、満足度がダウンした要因がどこにあるのかを見極める必要もあるのではないでしょうか。

テレワークと出社勤務それぞれのメリットとデメリット

テレワークと出社勤務のどちらがいいのかは、人それぞれ違います。また、テレワークにはテレワークならではの、出社勤務には出社勤務ならではのメリット・デメリットがあります。

新型コロナウイルス感染症の予防対策として、テレワークを導入した企業にとっては、新規感染者数の減少に伴う行動制限の全面解除で、通常の出社勤務に戻し、「やはり顔を合わせて仕事をする方がいい」と感じたかもしれません。

一方、ワークライフバランス重視の方針から、それぞれの状況に応じて従業員がテレワーク、出社勤務のどちらかを選択できるようにするため、コロナ禍を機にハイブリッド型の勤務形態を導入した企業もあるでしょう。

爆発的な感染拡大で気になる次回調査の結果

どちらがいいのかは、しばらく様子を見る必要があります。「原則テレワーク・居住地の制限なし・出社は出張扱い」という、新しい勤務形態を導入したNTTグループのケースもあります。

一方で、テレワークで仕事とプライベートの区別ができないことでストレスを感じているケースも多いなど、テレワークの新たな問題も浮き彫りになっています。出社勤務による対面でのコミュニケーションの大切さやオフィスの重要性が、コロナ禍で改めて見直されていることも、リモートワークから出社勤務に戻す動きの背景にあるようです。

さて、この調査が終わってから、各地で新規感染者数が過去最高を更新する、爆発的な感染拡大となっています。次回の「働く人の意識調査」では、テレワークの実施率はどのようになっているのでしょうか。

まとめ

今回の調査では、20代・30代のテレワーク実施率が大幅に減少していることも明らかになりました。若い世代ほどテレワークを求める割合が高いだけに、テレワーク実施率の減少が、若手社員の退職につながるかどうかも注視する必要がありそうです。

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