新入社員や若手が、1日でも早く戦力として活躍してくれることは、企業にとって大きなプラスとなる。早期育成には教育や研修が重要となり、効果的とされているのが、職場での実務を通して行うOJT(On-the-Job Training)だ。

OJTは職場で実際に業務に従事しながらの実践的な教育訓練をするだけに、机上での研修やマニュアルでは得られない必要なスキルや知識を習得する可能性が高いことから、多くの企業が採用している教育訓練手法だ。

ところが、株式会社日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)が実施した「新人・若手社員のOJTに関するアンケート」によると、約9割が「OJTには課題がある」と考えていることがわかった。

その課題でもっとも多かったのが「指導者に余裕(時間)がない」で、続いて「指導にバラつきがある」「指導側の意識や能力不足」と、主に指導者側に課題の要因があることが見えてきた。

指導する側がOJTの意義を理解していなかったり、実践していくうえでのルールが明確でなかったりすれば、せっかくの実践教育の場が、場当たり的な内容になってしまう懸念も生じてくるのではないだろうか。

また、在宅勤務の増加で、社員の勤怠管理が難しくなっていることを考えれば、実践を通じてのOJTという教育訓練の重要性は、ますます増してくると思われる。それを裏付けるように、今回の調査でも、約9割がOJTの見直しに意欲を示している。

では、どのような点を見直そうとしているのだろうか。改善策のトップに挙げられたのが「現場に任せていたOJTの仕組み化」だ。現場の担当者に任せっぱなしではなく、会社としてOJTに真摯に取り組む体制が出来上がれば、指導のバラつきを解消することにもつながる。

OJTの仕組み化によって、正社員だけではなく、派遣社員やフリーランスの教育・研修にも活用できるようになれば、人手不足対策にもつながりそうだ。OJTを実施している教育担当者は、自社でどのようにOJTが実践されているのかを、確認してみてはいかがだろうか。