さまざまな教育サービスを展開する株式会社ベネッセコーポレーションは、自社の社員に対してもスキルアップの機会を提供するため、画期的なリスキリングの取り組みをスタートしました。どのような取り組みなのか、その概要を紹介します。

日本の社会人は学ばないという事実

ベネッセが18〜64歳の社会人を対象に、2022年3月に実施したアンケート*によると、直近1年間に何も学習していないという回答が全体の74%を占めたそうです。 その理由については、社会人の学習がキャリアアップにつながりにくいことと、働きながら学ぶ環境が整っていないこと、などが理由として考えられます。

リスキリングの重要性

業務上で必要なスキルアップに関しては、現在多くの企業がリスキリングをとり入れています。リスキリングとは職場で働きながら、業務に必要な新しい知識やスキルを学ぶことです。よく同列に語られることの多いリカレント教育は、職場を離れて教育を受ける点がリスキリングとは異なります。


現代のビジネス環境では、DX化やIT化が進んでおり、仕事をするためにはそれらに対応する知識・スキルを高めなければなりません。そのため、業務と並列で進められるリスキリングの重要性が高まっているのです。

社員が講師に、画期的なリスキリングの取り組み

ベネッセでは2021年から、グループ全社員がオンライン動画学習プラットフォーム「Udemy business」を利用しています。これは法人向けの学習サービスで、IT技術やビジネススキルなどの実践的な講座を、パソコン・スマートフォンで受講できるシステムです。


ここまでなら、ほかの企業でも同様の取り組みをしているかもしれません。ところがベネッセでは最近になり、その1歩先を行くリスキリングをスタートさせました。そのきっかけは、Udemyを利用する社員から、自身のスキルや経験を教える立場として活用したいという声があがったことでした。


Udemyでは自ら学習コンテンツを作成して、それをプラットフォーム上で販売できます。これまではUdemyを使って学習する立場だった社員が、今度は自分が社内外にコンテンツを配信したいと考えるようになったのです。


そこからスタートした「Udemy講師デビュープロジェクト」では、社会人教育事業本部の企画により、社内でUdemyの講師を募集しました。その結果4名の講師が誕生し、現在それぞれの知識・スキルを活かした講座をUdemyで公開しています。


こうした取り組み以外にも、スキルの習得や新しい仕事へのチャレンジを促すため、ベネッセでは年に3日のリスキル休暇を導入しています。その先にある目標は、誰もが学び続けられる社会にするための、最終学歴よりも最新学習歴を重視する仕組みづくりだということです。

まとめ

社員が自らの意思で学びの場を見つけることは、職場での技術・スキル・モチベーションの向上につながります。そのために、リスキリングやリカレント教育に取り組む企業も増えているのです。


今後は安定的な人材確保のためにも、こうした取り組みが企業にとって一段と重要になると考えられます。他社とは違うリスキリングも、企業の魅力をアピールするポイントになるかもしれません。


*調査概要
2022年3月ベネッセコーポレーション実施
調査会社モニターを用いたインターネット定量調査
対象:18〜64歳の社会人 サンプルサイズ:35508