特撮ドラマ「仮面ライダー」シリーズの大人向け変身ベルト「COMPLETE SELECTION MODIFICATION(CSM)」シリーズ(バンダイ)。変身ベルトを最新の技術、造型手法で再構築した玩具で、2013年に「仮面ライダーW」の「COMPLETE SELECTION MODIFICATION DOUBLEDRIVER(ダブルドライバー)」が第1弾として発売され、第24弾まで発売されている。予約が始まると、即日完売することもあるほど。大人の「仮面ライダー」ファンを魅了し続けている。CSMを開発するバンダイのフナセンさんに開発の裏側、人気の理由を聞いた。

 ◇海外展開も視野に

 そもそも「平成仮面ライダー」シリーズは、2000〜01年に放送された第1作「仮面ライダークウガ」から、メインターゲットの子供だけでなく、大人にも人気があった。CSMの購入者も20代男性が中心だ。

 CSMの第1弾「CSMダブルドライバー」は、2009〜10年放送の「仮面ライダーW」に登場するアイテム。放送終了後約3年でCSMが発売された。つまり、主な購入者の20代男性は、子供の頃に見ていた作品の大人向け玩具を購入したわけではない。「平成仮面ライダー」シリーズの大人のファンがいかに多いかがうかがえる。大人の女性ファンも多く、CSMも商品によってばらつきがあるものの、購入者の約1割は女性だという。

「平成仮面ライダー」シリーズには、国内だけでなく、海外にも根強いファンがいる。CSM誕生の裏側には、海外ファン向けに玩具を展開していく狙いもあった。

「当時から海外でも玩具を購入していただいていました。CSMは世界的な市場に向けてブランディングしていく意味もありました。第1弾の『CSMダブルドライバー』は、日本、香港、台湾、韓国で同時受注を受け付け、箱、取扱説明書も多言語に対応していました。海外の購入者は全体の1〜2割ほどです」

 ◇ディテール、機能… 劇中のギミックの再現目指す

 そもそもCSMはどこが大人向けなのだろうか? まずは装着サイズだ。子供向け玩具「DX」シリーズもあるが、子供向けサイズの玩具をそのまま大人が装着するのは難しい場合が多く、別売りの延長べルトを使用する必要がある。 CSM は大人向けということもあり、付属パーツなしでも、ウエスト部分を100 センチ程度まで対応できるようにしてあり、大人でも快適に装着できる。装着サイズの点からだけでなく、ディテール、機能も大人向けに追求した。CSMの開発者は「より本物に近付けよう」を合言葉に努力を重ねているという。

 「玩具は一般的に図面があって立体化するのですが、過去の作品の一部はDXシリーズと劇中で使用されているプロップとではサイズもデザインも異なるため、CSMはプロップを見ながら、設計データを作ります。曲面のニュアンス分析など、とにかく大変です。中にはプロップとDXがほぼ同じ外観のものもありますが、そういったものでも部分的に造形を改修したり、塗装などを豪華にして、大人が見てもご満足いただけるようにディテールを追求しています。それだけでなく、技術が発展したことで、当時DXシリーズには入れることができなかったギミックを入れることで、更なる価値を付けています。商品開発時には、外観が決まっても全てのギミックがなかなか入り切らないこともあって、その部分を調整したり……」

 CSMは、ギミックでも劇中の再現を目指し、発光、音声の改良や、仮面ライダーを演じた役者、声優の音声が新規収録されるなどさまざまな新機能が追加されている。シリーズ第23弾「仮面ライダー555」 の「CSM デルタギア」では、シリーズ初の音声認識機能を搭載するなどシリーズを重ねるごとに進化している。「CSMのコンセフトは広義でDXシリーズを生かし、再構築していくこと。その範囲を広げて、機能をできるだけ増やしています」

 ◇全く見たことがない変身ベルトも

 12月7、8日にはべルサール秋葉原(東京都千代田区)でCSM シリーズを中心とした変身べルト玩具のイベント「THE HENSHIN COMPLETE SELECTION MODIFICATION EXHIBITION VOL.1」が開催される。フナセンさんはイベントについて「カタログ的に並べるだけでなく、作品の世界観を見せようとしています」と話す。

 これまでの商品を展示するほか、前日に解禁予定のCSM最新作も最速で展示予定。ほかにも、「DX変身ベルトジクウドライバー」を例に図面、金型など制作の裏側を紹介するコーナーや、「変身ベルトの未来」をコンセプトに「最新技術を使った、見たことがない変身ベルトの玩具」もお披露目される。進化を続けてきたCSMのこれまでの挑戦の歴史だけでなく、これからの挑戦も垣間見ることができそうだ。