映画「セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記」(田崎竜太監督)が公開中。映画は、歴代の仮面ライダーとスーパー戦隊が垣根を超えて共闘。特撮ドラマ「仮面ライダーセイバー」で神山飛羽真/仮面ライダーセイバー役を演じる内藤秀一郎さんと、「機界戦隊ゼンカイジャー」(共にテレビ朝日系)に五色田介人/ゼンカイザー役で出演中の駒木根葵汰さんに、レジェンドヒーローたちと競演しての感想やもっとも思い入れのあるヒーローや、互いの印象、ヒーローとして憧れられる側になった心境などを聞いた。

 ◇ダブルアニバーサリー作への出演に抱いた不安と喜び

 放送開始50周年を迎えた仮面ライダーシリーズと、45作品目が放送中のスーパー戦隊シリーズのダブルアニバーサリー作への出演について、内藤さんは、「50年分の仮面ライダーと45作品分のスーパー戦隊の“トップ”に立つと聞いた時は、正直怖かったですし不安でもありました」とプレッシャーを感じていたことを明かし、「1年間、僕も仮面ライダーを演じさせていただいたので不安とかは全部捨てて、『自分が歴代仮面ライダーの、50年分の仮面ライダーの“トップ”になる』ことを自分に言い聞かせて撮影に挑みました」と撮影前の思いを語る。

 一方、「僕はラッキーって思いました」と意外な表現で感想を口にした駒木根さん。その理由を、「例年だったらゼンカイジャーだけの映画になっていたでしょうが、仮面ライダーが50周年である年に、45作品目のスーパー戦隊『機界戦隊ゼンカイジャー』に出られたからこそ、大きな話題作になっていると思う。『これは目立てるぞ』とうれしかったです」とちゃめっ気たっぷりに説明する。

 映画に数多くのレジェンドヒーローが参戦する中で、現役ヒーローとして出演した心境を聞くと、内藤さんは、「不思議な感じでした。仮面ライダーは子供のころから見ていたし、憧れだったので、その仲間入りをするのが最初は想像できなかったというか、落ち着くこともできなかった。ずっとフワフワした感じでした」と当初はうれしさのあまり、夢見心地だったという。

 今年2月に公開された劇場版「機界戦隊ゼンカイジャー THE MOVIE 赤い戦い!オール戦隊大集会!!」で歴代レッドとの“共演”経験がある駒木根さんは、「仮面ライダーが一緒ということで、僕自身、昔からスーパー戦隊も仮面ライダーも見ていたのでうれしいなという思いはありました」とにっこり。さらに、「不安というよりは、大舞台の中でどれだけ『機界戦隊ゼンカイジャー』の良さを出せるかというのをキャストと話し、どうすれば目立てるのかをみんなで考えていました(笑い)」と“全力全開”で撮影に臨む準備をしていたことを明かす。

 ◇共演前から顔見知り 互いの印象は

 共演前から顔見知りだったという2人だが、共演してみての印象を、内藤さんが「こんなに元気な子なんだって(笑い)」と言うと、駒木根さんは「印象は背がデカい人という感じです」とジョーク交じりにコメントして笑いを誘う。

 内藤さんは、駒木根さんの“元気さ”について「介人という役が元気だからそれに引っ張られているのかな」と最初は思っていたというが、「そうではなく葵汰自身が元気。初めて会った時かなり元気で、僕たち(『セイバー』チーム)は平均して25歳ぐらいなので、新しい風が来たなって思いました(笑い)」と駒木根さん自身の性格だったことに気づいたという。

 内藤さんに「昔から知っている人っていう感覚の方が強かった」と親しみを持っていたと話す駒木根さんに対し、「気まずさはなかったよね。初めまして感もなかったから、芝居もやりやすかった」と内藤さん。聞いていた駒木根さんは、「好きな食べ物とかは知らないけど、内藤くんのことは知っている気がするからしゃべりやすかった。共演シーンもお互い顔見知りの感覚でできました」と相性の良さを強調してうなずく。

 ◇スーツアクターの表現力に感嘆

 劇中では互いの作品世界を訪れることになるが、内藤さんは「共演者がジュランで、“者”ではなくキカイノイドだった」と普段とは異なる共演者について言及。続けて、「スーツアクターさんとコミュニケーションは取ったのですが、芝居をしている時のコミュニケーションが最初難しかった。表情が変わらないので、何を思っているのかわからなくて」とキカイノイドとの共演の難しさを口にするも、「最初は戸惑ったけど、表情がわからない分、体の動きで伝えようとしてくれるので、伝わってくる力がすごいなと思いました」とスーツアクターの表現力に驚いたことを明かす。

 一方、日ごろからキカイノイドと共演している駒木根さんは、「(『仮面ライダー電王』に登場する)イマジンの方たちとやらせてもらったのですけど、キカイノイドとやっているのと感覚が同じなので、特別感はそんなに感じなかった」と切り出し、「仮面ライダーセイバーの倫太郎(山口貴也さん)と一緒に芝居すると、やっぱり『機界戦隊ゼンカイジャー』にはいないキャラクターだと感じた。それに介人の芝居を全部受け止めてくれたので、やりやすかったので感謝しています。ありがとうございました!」と山口さんに感謝していた。

 ◇子供のころからの憧れのヒーローは?

 共に子供のころから仮面ライダーやスーパー戦隊に憧れていたという2人に、もっとも思い入れのあるヒーローを質問すると、内藤さんは「仮面ライダー電王」と即答。「子供時代に一番憧れた。一番カッコいいし、『この世界に入りたい』『この人たちに会いたい』と思ったのが『仮面ライダ電王』だった」と目をキラキラさせながら話し、さらに「僕の変身の最後決めポーズは電王の『俺、参上!』と一緒。まったく一緒じゃないのですが、ちょっとヒントをもらっています」と笑顔で語る。

 駒木根さんは「ガオシルバーが好きだったのですが(今回の映画には)いないんですよ」と残念がり、「ゼンカイザーはアカレンジャーをモチーフにしていたり(『機界戦隊ゼンカイジャー』の)最初の映画にも出てくれたり。本編の方にも出てきていたりするので。もちろんリスペクトさせていただいています。(一番思い入れがあるのは)『秘密戦隊ゴレンジャー』なんですかね」と“初代”への敬意の念を口にする。

 それぞれの作品を見て「うらやましい」と思うポイントについて、「ないものねだりじゃないですか」と切り出した駒木根さんは、「(セイバーが)剣を使うのがカッコいいなと思って見ているし、スーパー戦隊にも憧れたし、仮面ライダーにも憧れたから(ライダーが)『変身』と言うのもカッコいいなと映画の撮影現場でも思った」と話す。

 さらに、「話のテイストが違い、僕たちは真面目におふざけをやるっていう気持ちですが、(『仮面ライダーセイバー』は)シリアスなシーンも多く、そういうところもちょっと『やってみたいな』と思うし、いっぱいありますよね」と続ける。

 うなずきながら聞いていた内藤さんが「なんだろう?」と悩んでいると、駒木根さんが「ないのかいっ!」と鋭くツッコミ。慌てつつも内藤さんは「あるある! やっぱり駄菓子屋さん。駄菓子が好きなので(笑い)」とジョークを言った後、「介人という役はうらやましい。人のことを明るくできるし、見ていてこっちが笑えるし、役者として笑ってもらえるのはすごくうれしい。そこが一番かな」としみじみ。駒木根さんは「キャラクター性について言ってくれたのはすごくうれしい」と喜んでいた。

 ◇“憧れられる”ヒーローへ

 今作の見どころを、内藤さんは「『仮面ライダーセイバー』の世界と『機界戦隊ゼンカイジャー』の世界、それともう一つ“現実の世界”というのがあって、現実の世界でのシーンが(台本で)5〜6ページぐらいあるのですが、ワンカットで12時間ぐらいかけて、しかも20〜30テークぐらいして撮った。その時の自分たちの必死さというか、映画に対する思いとかがにじみ出ているシーンなので、僕個人としては一番の見どころですね」とアピール。

 本作について「仮面ライダーセイバーとゼンカイジャー、そしてすべての仮面ライダーとすべてのスーパー戦隊がグッと詰め込まれている作品」と表現した駒木根さん。「『機界戦隊ゼンカイジャー』本編では見られないようなキャラクターの姿が見られると思うし、なによりも歴代ヒーローたちのアクションシーンが多く、コアなファンたちがクスッと笑ってしまうようなシーンもあるので、そこは見てほしいなと思います」とメッセージを送る。

 最後に、ヒーローに憧れる側から、ヒーローとして憧れられる存在になって感じたことを聞いてみた。駒木根さんは「スーパー戦隊の看板を背負ってやっていくとなった時、それだけ大きなものは積み重ねていくごとにやっぱりどんどん大きくなっていくし、ヒーローの思いを感じ取っている」と前置きし、「昔はカッコいいとか憧れの方が強かったけど、自分がやってみると撮影も大変。出ているのは僕らだけど支えてくれている皆さんがいることも知った。こういうことは言うべきではないのだろうけど、ヒーローって楽しいだけじゃないと感じました」と神妙な表情で語る。

 続けて、「それでもヒーローとしての姿をしっかり見せないといけない。自分がしっかりとこの1年間を終えて、45作品目のヒーローとして歴史の一部として自分の名前が入るのはうれしいこと。1年間でどれだけのことができるのかを一番に考えています」と真っすぐ前を見つめる。

 一方、内藤さんは「子供のころに見ていた『仮面ライダー電王』の佐藤健さんはカッコよかったし憧れだった」と改めて語り、「僕が子供時代に電王に思っていた気持ちというものが、今の子供たちがセイバーに思っている気持ちと同じだと思うので、その子供たちが僕と同じぐらいの年齢の大人になった時に胸を張って『子供の時に憧れていたヒーローだよ』って言ってもらえ続けるように、これからならなきゃなって思いました」と力を込めた。(取材・文・撮影:遠藤政樹)

 ※田崎竜太監督の崎はたつさき