岐阜県多治見市が舞台で、伝統工芸品・美濃焼がテーマのフリーコミックが原作のテレビアニメ「やくならマグカップも(やくも)」の第2期「やくならマグカップも 二番窯」が、CBCテレビ、BS11、TOKYO MX、MBS、AT-Xで10月1日から順次、放送される。前半15分がアニメ、後半15分が実写パートの2部構成で、実写パートは、声優の田中美海さん、芹澤優さん、若井友希さん、本泉莉奈さんが出演し、多治見の魅力を紹介する。第1期で土から生まれた真土泥右衛門(まっどでいえもん)を演じた声優の内田彩さんが、第2期では、陶芸部の部長・青木十子の自称ライバルの松瀬理央も演じることも話題になっている。十子役の本泉さん、内田さんに第2期のアフレコ、多治見への思いを聞いた。

 ◇ライバルの意識

 −−第2期が制作されることになり、率直な感想は?

 本泉さん 第1期は、ロケも含めて多治見の魅力がぎゅぎゅっと詰まった作品になっていたんですけれど、でもそんなもんじゃない! 多治見には、もっとステキなところがたくさんあります。私も多治見をもっともっと知りたいという気持ちでいっぱいだったので、第2期が決まり、本当にすごくうれしかったですし、多治見の皆さんに支えていただき、たくさん応援していただいていることに、すごく心が温かくなりました。

 内田さん アニメと実写パート合わせて地域の魅力を知ることができる番組なんて初めて。すごく温かい気持ちになりました。アニメだけでなく、実写も通して焼き物や多治見の魅力を知ることができ、次はどこ行くのかな?何を作るのかな?と一視聴者として楽しく見させていただいていました。「やくも」は、心に染み込み、日常の中に寄り添ってくれるような作品です。第2期が決まり、すごくうれしいですね。

 −−ライバル同士ということで意識したことは?

 本泉さん 十子は陶芸部のみんなよりも1年先輩で部長ということで、普段から教える側ですし、わちゃわちゃしている三華ちゃんをたしなめたり、注意したりするポジションです。陶芸に対して内に秘めた熱い思いがすごくあって、ストイックな人でもあります。すごく格好いい人だと思っています。第1期でみんなと過ごしてきた時間の中で、徐々に柔らかくなっていっている印象があったのですが、松瀬さんに対しては、すごくスンとしているので、その温度差が面白いバランスと感じています。私自身、松瀬さんが大好きなので、可愛い!ってなっちゃうんですけど、そこは気持ちを落ち着かせて、頑張りました(笑い)。

 内田さん 第2期から松瀬理央ちゃんを演じさせていただくことになり、びっくりしました。本当ににぎやかな子ですが、彼女としては、気持ちの表現がちょっとパワフルになってしまっているだけで、ある意味、不器用なんですよね。すごく愛もある子です。

 −−内田さんは第1期で真土泥右衛門も演じていました。

 内田さん 第1期の時は真土泥右衛門役ということで、本編には登場せず、次回予告でみんなのことをあれやこれやとにぎやかにしゃべったり、みんなが多治見でいろいろなチャレンジをするのを見ていたりしていました。みんなのことはよく知っているし、楽しく見ていたけど、こういうご時世なので収録も別々でしたし、第1期の時は、ほかのキャストの方と会う機会がほとんどなかったんです。遠くから見ているんだけど、本当はよく知っていて、もどかしいみたいなところがあって、第2期で理央ちゃんを演じることになった時に、その気持ちがちょっと重なるところもあり、うれしかったんです。その気持ちをいい意味で押しつけがましく、みんなに愛を届けつつ、彼女なりの可愛らしさ、不器用さ、でも情熱がすごくあるところを愛らしく演じていきたいと思っています。第2期の新たなスパイスのようになれたらいいなと思いながら、理央ちゃんを演じていきたいです。

 ◇内田彩が演じる理央から刺激も

 −−第2期は、真土泥右衛門の誕生秘話が明らかになるようですが。

 内田さん 原作をご覧の方は知っているとは思うんですけれども、アニメから作品を知ってくださった方には真土泥右衛門は「あれなんなんだ?」とまだ謎に思われているかもしれません。なんと第2期の第4話で正体が明らかになるお話があります! 第1期で泥右衛門の役作りをする時、監督さんたちといろいろ話し合って演じたんですけど、泥右衛門の誕生秘話を知っていたので、最初はすごく渋い感じの役作りをしていまして(笑い)。監督さんたちから「可愛らしい、マスコット感満載な感じで大丈夫」というお話があったんです。

 本泉さん そうだったんですね! 名前からも渋い侍のようなイメージがありますもんね。

 内田さん 名前にも引っ張られてしまって「我が輩は」みたいなダミ声でキャラ作りをしていたんですけど、「真逆でやってみてください」というお話だったんです。誕生秘話では、第1期の予告でしゃべっていたのとは、またちょっと違う表情を見せなければいけなかったので、すごく悩ましかったですね。

 −−アフレコの様子は?

 本泉さん こういう状況ですので、別々に録(と)っていて、内田さんと陶芸部の4人が一緒になることは、まだないのですが、スタジオですれ違ったりすると「一緒に一つの作品を作っているんだ」という感動があります。待機している部屋で収録中の音声を聞けるので、そこで初めて松瀬さんの声を聞いた時に、原作からすごく魅力的な子だと思っていましたが、内田さんが演じられることで、めちゃくちゃ可愛らしい子になっていて、これは十子も頑張らないといけない!となり、さらに気合が入りました。

 内田さん 第1期の時は、別の時間帯に一人で収録していたのですが、第2期は、ほかのキャラクターとの絡みもあり、台本を読んでいるだけで、私が見ていたあの子たちの中に入っている感じもうれしかったです。第1期で陶芸部のみんなが、どんな様子で日々を過ごしていたというのを見ていたので、自分の頭の中で脳内再生しながら演じることもできました。別々の収録でしたが、頭の中にみんながいたので、楽しく演じさせていただきました。

 ◇陶芸の魅力 好きなものをたくさん作りたい

 −−本泉さんは実写パートで陶芸に挑戦しました。陶芸の魅力は?

 本泉さん ほぼ初めて陶芸をやらせていただいて。土を触ってみて、本当に言葉で表せないくらいすごく深いんだなと感じました。第1期では、マグカップとお皿を作らせていただき、第2期は、自由に私たちが作りたい物を作らせていただきました。失敗かも?となったところも含めて全部が味になるんですよね。こういう色にもなるんだ……と発見もあったり。作品の中で釉薬(ゆうやく)などの専門用語、歴史を学んできたこともあり、第2期は集大成のように感じています。

 内田さん 陶芸は、敷居が高いイメージもありましたが、みんなが試行錯誤している様子を見て、陶芸をリアルに感じたり、身近に感じられたりしますよね。見ていて楽しかったです。

 −−本泉さんはもっと陶芸をやってみたくなった?

 本泉さん もっともっとやりたいです! なかなかうまくいかなかったところもあって、もう一度、ろくろを使ってみたら、もっとうまくできるかも……と思っています。もっともっといろいろな形を作ってみたいです。第2期では、オブジェを作りました。オブジェは、食器とは違って、生活の中でそこまで必要ではないけど、それがあると部屋の空気が変わります。そういうものがすごく好きなんです。自分が好きなものをたくさん作りたいですね。実際に作りながら、こういうふうになるんだ……ということの連続だったんです。気持ちを土にぶつけていけば、その先の景色が見られるかもしれませんし。

 −−内田さんは陶芸の経験は?

 内田さん 物心が付いてからはないので、やってみたいです。タンブラーを作ってみたい! ザラザラ感があるといいですね。ちょうど一缶分が入るくらいの容量にしたいです。どれくらい泡が立つかを考えたり。

 本泉 タンブラー、いいですね! 私も作ってみたいです。

 ◇多治見のおすすめスポット、グルメ

 −−本泉さんは実写パートの撮影で多治見を訪れ、地元の方と触れ合う中で感じたこは?

 本泉さん ロケの日がちょうど陶器まつりで、移動の空き時間にお邪魔させていただいたんです。私たち買い物をする気でお財布を握りしめていたんですけど、若い方たちからおじいちゃんおばあちゃんまでいろいろな方でにぎわっていて、私たちが現れると「キャー!」ってなったんです。そんなこと初めてで、みんなで「私たちスターみたいだね」ってちょっと勘違いしそうになるくらい(笑い)。こんなに地元の方に応援していただいているんだ……と改めて感じました。「もしかして『やくも』の方ですか?』と声をかけていただいたり、赤ちゃん連れの方に「うちの娘にコメントを」と言っていただいたりして、ほっこりしたこともありました。微力ながら町の魅力をどんどん伝えていきたいという気持ちが高まります。

 −−内田さんは多治見に行ったことは?

 内田さん まだ行ったことがないんです。夏休みに行こうと思っていたんですけど、ちょっとこの状況ですので……。

 −−本泉さんから内田さんにおすすめのスポットやグルメは?

 本泉さん 第1期のオープニングで姫乃ちゃんたちが行っていた虎渓公園。町を見渡せる高台にあり、すごく気持ちよかったので、ぜひ! 天気がいい日だと、オープニングと同じ景色が見られます。

 内田さん 行ってみたい!

 本泉さん グルメはウナギです! 表面がパリパリで中がフワッとしていて、めちゃくちゃおいしいです。癖になりますよ

 内田さん 食べたい……。夏休みに行きたかったなあ……。

 ◇女子高生時代は伸び伸び!

 −−ちなみに高校時代の思い出は?

 本泉さん 福島県出身で、福島は盆地なので、多治見の風景と重なるところもありますね。中高校生の時は、自転車通学だったんで、自転車でどこまでも行って、バイトをたくさんしまくって、友達とカラオケに行ったり、ちょっと遠出して仙台にお買い物に行ったり、好きなアーティストさんのライブに行ったり……青春を謳歌(おうか)していました。伸び伸びとした女子高生でしたね。お勉強はあまりしていなかったですけど(笑い)。

 内田さん 私も自転車通学でいろいろなところに自転車で行っていました。地元のクラブ活動みたいなものがあり、キャンプをしたり、船で北海道に行ったり、子供の引率で付いていって、そういう活動をしていて、本当に楽しかったです。私も好きなアーティストさんのライブに行ったりしていましたね。

 本泉さん そうだったんですね!

 内田さん 時間をフル活用して過ごしていました。学生ならではですね。

 −−最後に第2期の見どころを教えてください。

 本泉さん 第1期の十子先輩は、きっちりかっちりお芝居させていただいていたんですけれど、みんなと過ごす時間が長くなるにつれて、すごく柔らかく、等身大の女子高生らしくなったところもあります。第2期の第1話から朗らかな、表情の柔らかさを意識したので、ぜひ注目していただきたいです。そして、なんといっても新キャラクター! 新しい風がたくさん吹くので、その子たちと陶芸部のみんなが、どんな化学反応が起きるのか、ぜひみなさん楽しみにしていただけたらうれしいです!

 内田さん 第1期の取材で「4人の中だと誰が似ていますか?」「好きですか?」という質問をしていただいた時に「十子先輩に自分を重ねるところや憧れる要素がある」と話していたのですけど、そんな十子先輩に愛をぶつける理央ちゃん役ということで、第2期で新たな嵐を巻き起こすようにパワフルに演じたいと思っています。第2期は、みんなが陶芸とは何か?自分はどうしていきたいのか?と考えるところも見られます。そういう部分も注目してください!