KADOKAWAのウェブコミックサイト「WebComicアパンダ」で連載中の泉朝樹さんのホラーコメディーマンガ「見える子ちゃん」がテレビアニメ化され、TOKYO MXほかで10月3日から順次、放送される。普通の人には見えない異形な“ヤバい”やつらの姿が見えるようになってしまった女子高生・四谷みこが、逃げるでもなく、立ち向かうでもなく、徹底的にスルーする姿を描く。人気声優の雨宮天さんがみこを演じるほか、本渡楓さん、佐倉綾音さんらが出演する。真っすぐでりりしく、美しい雨宮さん。「お化けなんて怖くないです!」と言い切るのでは……という勝手なイメージもあるかもしれないが、意外にも「苦手です。全然ダメです」と明かす。みこを「絶妙なバランス」で演じたという雨宮さんに、ドキドキのアフレコについて聞いた。

 ◇怖いものだらけ ホラーを避けてきた

 雨宮さんは、実はホラーが苦手。子供の頃からホラーを避けてきたという。「怖いものだらけなんです」と明かす。

 「夏に心霊番組を放送されても、見ないようにしてきました。ホラー映画をちゃんと見たことがないし、お化け屋敷もダメです。子供の頃、怖くなるのを分かりながらも、心霊番組を見て、寝る前になって後悔して(笑い)。大人になってからは見ないようにしています」

 怖がりな雨宮さんではあるが「見える子ちゃん」は「大丈夫」だっという。

 「ホラーが苦手な人も楽しめます。怖いけど、怖いばかりじゃないです。ギャグも挟まれますし、友達思いなみこに感動するところもあります。それがないと、私は読めなかったです(笑い)。みこは本当にいい子なんです。表情が大きく変わるわけではないし、しゃべる時もトーンは一定だけど、すごく友達思いですし、怖いものが苦手だけど、友達を守るために、怖いものに向かっていきます。そこがこの作品のよさですよね」

 ◇抑える演技の難しさ 空気多めで叫ぶ

 みこは、難しいキャラクターだ。表情はあまり変わらないが、心の中では喜怒哀楽が激しい。雨宮さんも「難しい」と感じているという。

 「表面上は平静を装いながら、怖がりだから、心の中で悲鳴を上げています。どれくらいやってしまっていいのかな?と思ったのですが、『心の声を思いっきり表現してください』というディレクションをいただき、いろいろな怖がり方を表現しました。心の中の声は、空気が多めの声なんです。『キャー!』じゃなくて『ヒャアア!』『フワアア!』と息をすごく使うんです。息が続かなくなり、普通に叫ぶよりも難しいんです。結構大変でして、この作品で大変さを知りました」

 雨宮さんにとってみこを演じることは挑戦だった。

 「(本渡さん演じる百合川)ハナと一緒にいるシーンでは『ハナを守らないと!』という思いがあるので、モノローグでいっぱいしゃべりますし、いっぱい叫びます。モノローグだらけのお話もあります。心拍数が上がっている様子を表現するために、早口になったり、息に震えを乗せたりして、ドキドキを表現しています。抑える演技も難しいんですよね。クールだけど、友達思いなところもあり、そこを出したいけど、出しすぎちゃうとみこじゃなくなりますから。その絶妙なバランスが大変ですね」

 ホラー作品を扱うため、アフレコ初日はおはらいをした。怖いものが苦手な雨宮さんは、アフレコでドキドキすることもあるという。

 「今のところ、何も起きていないのですが、空気清浄機が突然、頑張りだすと、ええ!?となったり(笑い)。ちょっとした物音にビクビクしています。ほかの現場では気にしないことも過敏になっているんですよね。第1話の収録の夜、お化けの夢を見ました。毎週毎週、怖い夢なのかな?と思ったら、第2話以降は大丈夫でした(笑い)」

 ◇どういうテンション? OP、EDで苦労も

 みこのキャラクターソングが、アニメのオープニングテーマ(OP)「見えないからね!?」とエンディングテーマ(ED)「ミタナ? ミタヨネ?? ミテルヨネ???」として放送される。

 「EDは、オシャレでノリノリな曲なのですが、歌詞が怖い。歌詞がカタカナばかりで、正直、戸惑いました(笑い)。カタカナが多いので、ゲシュタルト崩壊して、分からなくなり……。化け物目線の歌をみこが歌うので、どういうテンションなんだろ?と考えました。笑顔でノリノリで歌うと意味が変わってきますし、ノリノリなんだけど、無表情に歌う。そこが難しくて、気を抜くと、ノリがよくなってしまい……。戦いでした」

 OPの収録も苦労が多かった。

 「OPは、EDよりも明るい曲です。明るいけど『やめて!』と始まるし、追い詰められています。その感じを出したいけど、出しすぎると曲に合わないですしね。みこが笑っているか、おびえているか分からない。おびえすぎず、おびえを入れる。テンポを少しずらしたり、フラットにしたりした方がいいのかな?とも思ったのですが、『もう少し合わせていきましょう』というディレクションをいただき……。半べそになりながら歌いました(笑い)」

 雨宮さんが絶妙なテンションで歌ったOP、EDも「見える子ちゃん」の見どころの一つになりそうだ。

 ただのホラー、コメディーだけではないのも「見える子ちゃん」の魅力。雨宮さんは見どころを「怖いだけでなく、心が温まるいいお話もあるんです。原作を読んで泣いて、Vチェックで泣いたお話もあります。老若男女楽しめるアニメです。放送は夜なんですよね。私はお昼に見ようかな……。怖いのが苦手な人は昼に見てね!」と話す。

 リアルタイムで見れば、怖さを満喫できるし、もちろん昼に見ても面白い。どちらでも、その魅力を堪能できるはず。