月刊誌『おとなの週末』で好評連載中の「口福三昧(こうふくざんまい)」は、漫画家のラズウェル細木さんが、試行錯誤を繰り返しながら食を楽しむ様子を描いた漫画エッセイです。連載をまとめた単行本『ラズウェル細木の漫画エッセイ グルメ宝島 美味しい食の探検へ』(講談社ビーシー/講談社)から収録作品を公開します。ラズウェルさんの“自作解説”とともに、お楽しみください。

カクテルがシロップ!おとなのかき氷 ラズウェル細木の漫画エッセイ『グルメ宝島』(8)

豚のカシラ肉を炭火でじっくり焼く そして辛味の効いたみそだれを

今回の『グルメ宝島』は、埼玉県東松山市の名物「やきとり」のお話です。ちょうどこの時期の8月10日は「焼き鳥の日」ですが、東松山市の名物は「焼き鳥」ではありません。実はこれ、鶏肉ではなく、豚のカシラ肉が使われているのです。

東松山市のホームページには、「東松山市のやきとりは、豚のカシラ肉を炭火でじっくり焼いたものをいいます。そして、辛味の効いた『みそだれ』をつけて食べる、これが『やきとり』なのです。東武東上線東松山駅を中心に、約40軒のお店で食べることができます」との説明がありました。

東松山駅は、東京・池袋駅から約50km。急行で1時間ほどです。ラズウェルさんは、担当編集らと計3人で、「とある蒸し暑い夏の夕刻」に、東松山駅に集合します。

「飲み仲間でこういう、ある特定の街といいますか。『そういうところがいいよ、おもしろいよ』といった情報が、飲み仲間の中で、回ってきたりすることがあって、その中のひとつに、東松山の『やきとり』というのがあったんです。『やきとり』と言いながら、鶏肉じゃないというのは昔から知っていて、僕にとってそこは驚きじゃなかったんです。ただ、これだけ盛んに名物のようになっているというので、一度行ってみようという気になって。行ってみたら、ほんとにすごかったということなんです」

ラズウェルさんの出身地は、山形県。そこでも、豚の「やきとり」があったそうです。

「うちは、山形県なんですけど、豚の白モツを、ふつうに『やきとり』と言って食べてたみたいなんですよね。父に連れられて行った居酒屋ではですね。東松山だけじゃなく、本来は『やきとん』と言うべきところを『やきとり』と言っている地域は他にもあるみたいなんですよね。ただ、東松山は、豚のカシラに特化しているところと、それを街全体でやっていることが、おもしろいということですよね」

この東松山の「やきとり」には、後編があります。前編のラストには、あることに驚くラズウェルさんの様子が描かれています。このあとの漫画をお楽しみください。
28cb46170490ce2e86daf96c80a9b2f7 初体験!東松山の“やきとり”(1) ce5bfc7a8dd44b995b0465046dfdb70b 初体験!東松山の“やきとり”(2) 46d5fe24d0bcf5442ee5aaf1c043cbea 初体験!東松山の“やきとり”(3完)

『グルメ宝島』には連載20回分を収録

『おとなの週末』に連載中の「口福三昧」は、食通で知られる漫画家のラズウェル細木さんが、食の可能性を追求すべく、さまざまなグルメを味わったり、自身で調理したりした日々の体験について漫画と文章でつづった「漫画エッセイ」です。漫画と文章に加え、写真付きの「おつまみレシピ」も。食に関して幅広い知識が得られる盛りだくさんな内容で、人気を博しています。

単行本『グルメ宝島』には、『おとなの週末』2015年9月号〜2017年5月号に掲載された「口福三昧」の中から20回分を選び、収録。冒頭では、「宅飲み・仲間飲みが3倍楽しくなる!簡単激旨レシピ」として、「コンビーフと厚揚げの赤ワイン煮」など、ラズウェルさんが厳選した絶品おつまみ7品をカラー写真で紹介しています。

ほかに、単行本オリジナルのコンテンツも掲載。「ここが美味しい食の研究所 ラズウェル細木の台所公開!」は、食の探究に余念がない著者の自宅台所を図解した貴重な内容です。

※現在は当時の状況と異なる場合があります
b4d04e6c7319a95cd1d7356133a399f9 『グルメ宝島』(講談社ビーシー/講談社、1430円)

ラズウェル細木


1956年生まれ、山形県米沢市出身。漫画で呑兵衛達の心をくすぐり続けて15年超。旨い食と酒を求めて庶民目線で描いた作品が人気を博している。代表作に『酒のほそ道』(日本文芸社)、『う』(講談社)、『大江戸酒道楽』(リイド社)、『ときめきジャズタイム』(ジャズ批評社)などがある。2012年、手塚治虫文化賞短編賞を受賞。2010年、米沢市観光大使に就任。現在は月刊誌『おとなの週末』(講談社ビーシー/講談社)で新しい食の美味を研究する「口福三昧」を連載中。