専門のスポーツ以外に、筋トレや補強運動を行う方は多く見られます。しかし実際のところ、何をすればいいのか迷うことはないでしょうか。スポーツ種目はさまざまですが、それぞれの特性によって最適なトレーニング内容があります。たとえば、そのスポーツで要求されるのが持久力なのか瞬発力なのかによって、メニューの組み方は大きく違ってくるのです。

 今回は“月イチゴルファー”のためのストレングス&コンディショニングをテーマに、ゴルファーにおすすめのトレーニングをご紹介しましょう。

ゴルファーはどんなトレーニングを行えばいい?
 以前、私が指導するクロスフィットのジムにプロゴルファーが入会してきたことがあります。ランキング上位の選手ではありませんでしたが、プロアスリートです。ところが、彼は柔軟性こそ高かったものの、体力・筋力ともに普通の会員以下でした。

 ゴルフは特殊なスポーツです。中には運動能力抜群のゴルファーもいるのかもしれませんが、筋力がなくても道具をうまく使えばボールは遠くまで飛びます。また、高いスピードや反射神経、持久力も必要ありません。ですからゴルフのスコアを上げるという意味では、いわゆる一般的な筋トレをするメリットは少ないかもしれません。

◆ゴルファーは腰痛もちになりやすい

 ゴルフのスイングには、前傾したまま体を回転させるという他スポーツにはない特徴があります。しかも、その回転の方向はつねに一方向。生理学的には、とても不自然でバランスの悪い動作です。そのためか、ピッチャーが肩や肘を痛めるのと同様に、腰痛に悩むゴルファーは多いようです。

 タイガー・ウッズも長い間、腰痛に苦しみました。こうした背景からも、ゴルファーにとって最大の敵は腰痛だといえるでしょう。スコアが悪くなるだけならまだしも、日常生活にも支障をきたしかねない厄介な敵です。そのため、腰痛を防ぎ、フォームや姿勢を維持するために、体幹の筋肉を鍛えることが重要です。

バーベルを使ったウエイトリフティングがおすすめ
 体幹トレーニングといえばプランクや腹筋起こしなどの自重トレーニングがよく取り上げられます。たしかに有効な方法なのですが、長い時間や回数が必要になるのが難点です。そこでおすすめしたいのが、「バーベルを頭上まで持ち上げ、さらにその重量を支えてバランスを取る筋トレ」です。

・オーバーヘッド・スクワット
・ショルダー・プレス
・バーベルスナッチ
・クリーン&ジャーク

 これらの種目は、腕や肩、下半身の筋力を鍛えると同時に、バーベルを頭上で静止させる動きによって体幹も短時間で鍛えることが可能です。また、バーベルは左右対称の動きのため、左右に偏ることなく体のバランスを整える効果もあります。

 ゴルフのスイングは、静止した状態から自ら動き出すスポーツです。野球のピッチャーやテニスのサーブと同じで、相手の動きに合わせるのではなく、自ら作り出したタイミングで身体を操作する運動能力とメンタルが要求されます。そういう意味でも、静止した状態から一気にバーベルを持ち上げるウエイトリフティングは、ゴルファーにおすすめの種目といえるでしょう。
 
 ゴルフのパフォーマンスを高め、また、腰痛などを予防して競技に取り組むためにも、ぜひ実践してみてください。

[筆者プロフィール]
角谷剛(かくたに・ごう)
アメリカ・カリフォルニア在住。IT関連の会社員生活を25年送った後、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー部監督を務める。また、カリフォルニア州コンコルディア大学にて、コーチング及びスポーツ経営学の修士を取得している。著書に『大人の部活―クロスフィットにはまる日々』(デザインエッグ社)がある。
【公式Facebook】https://www.facebook.com/WriterKakutani

<Text:角谷剛/Photo:Getty Images>

※本記事は2018年11月15日にMELOSで公開された内容を再編集したものです。