2月に75歳で死去した鹿児島市出身の歌手で俳優の西郷輝彦=本名・今川盛揮(せいき)=さんに、鹿児島商業高校から卒業証書が贈られた。夢を追うため中退したが、終生思い続けた母校。証書を祭壇に供えた遺族は「少年のような笑顔が目に浮かぶ」と感謝している。

 証書は、18日に同市であった「しのぶ会」に合わせて用意した。「本校商業に関する学科の課程を修了したことを証する」とし、日付は亡くなった2月20日。

 西郷さんは1962年に入学、その夏に中退していた。堀之内尚郎校長(58)によると、生前、野球部の甲子園出場激励などで訪れた機会によく「卒業証書が欲しかった」と話していた。母校への支援だけでなく、児童施設への寄付など社会貢献にも尽力していたことから「十分卒業に値する」と授与を決めた。

 しのぶ会は、地元後援会薩輝(さつき)会(伊牟田均会長)が主催し、県内外から1350人が来場。証書は堀之内校長が、妻の今川明子さん(56)に手渡した。明子さんは「きっと西郷も会場にいて、長年芸能界で努力してきたこと、故郷の先生や皆さまに認めていただけた喜びをかみしめていたと思う」と話した。