「浅田政志写真展 Family Photo Tree(ファミリー・フォト・ツリー)」が1月25日、金津創作の森美術館(あわら市宮谷)で始まる。(福井経済新聞)

 浅田さん、兄・幸宏さんの2人を被写体にした写真入り年賀状。三重県内の観光名所などで、父・章さんが撮影した

 浅田さんは1979(昭和54)年津市生まれの写真家。日本写真映像専門学校(大阪市東住吉区)卒業後、撮影アシスタントを経て独立し、自身を含む家族を被写体とした写真集「浅田家」で第34回木村伊兵衛賞を受賞した。福井での個展開催は今回が初めて。

 展示は7パート構成で、「写真家としての原体験」という写真入り年賀状、専門学校時代の卒業制作、「浅田家」収録作品のニュープリント版など189点を並べる。全国から公募した被写体を撮影した「みんな家族」シリーズ、東尋坊で撮影した作品も含む初公開の「浅田家 全国版」シリーズ、東日本大震災の津波被害を受けた写真を洗浄するボランティアを捉えた「アルバムのチカラ」なども展示する。

 1月24日に内覧会が行われ、浅田さんが「専門学校時代、『一生に一度しか写真を撮ることができなかったら』と考えたことが家族写真をテーマにしたきっかけ」と振り返った。「浅田家」制作には7年を要したとも明かし、「ロケ協力を得ようにも、当初は撮影意図がなかなか通じず苦労した。そのうちコツをつかみ、『同じ三重県民じゃないですか』を決めぜりふに撮影を進めていった」と笑いを誘った。

 会場内に「MY NEW LIFE」をテーマにしたスライドショーコーナーを設け、メールで募集した写真を投影する。結婚、誕生、進学など新生活を感じさせる写真であることが条件で、応募後3日以内に会場で投影される。展示作品は一部を除き写真撮影可能で、同館は「#浅田家」「#FamilyPhotoTree」などのハッシュタグと共にSNS投稿を呼び掛ける。

 10月には、「アルバムのチカラ」を原案とした映画「浅田家!」公開も控える。浅田さんは洗浄ボランティアを振り返り、「プリントやネガなどで残っていたからこそ、何とかして救いたいという思いが湧いた。他人には何でもない一枚の写真が当事者にとって大きな力となることも実感した。スマホ全盛の時代にプリントを残すのはひと手間かかる作業だが、極限の時に備えた写真の残し方にも思いを巡らせてもらえれば」と話す。

 浅田さんの専門学校同期生で、福井市で撮影スタジオを構える前田龍央さんは「長年の友人が福井で展覧会を開くことになりうれしい。一貫して家族をテーマに写真を撮り続ける浅田さんは、洗浄ボランティアを通じて今の一瞬を切り取る写真家の『あるべき姿』を実感したのでは。福井の人たちに、家族写真を撮ることの大切さや楽しさを感じ取ってもらえるきっかけになれば」と期待を込める。

 関連イベントとして、浅田政志トークの会(1月25日13時30分〜)、サイン会(同15時15分〜)、浅田さんによる撮影会「浅田放送局 〜福井出張編」(3月8日13時〜)、担当学芸員によるガイド(2月9日・15日・23日、3月1日、各日14時〜)を行う。一部イベントは有料。

 開館時間は10時〜17時(入館は16時30分まで)。入場料は、一般=800円、高校生以下無料。月曜休館(祝日の場合は翌日休館)。3月8日まで。