伊豆市・土肥地区の古民家で8月1日から、映画祭「伊豆映画祭in土肥劇場」が始まる。(伊豆経済新聞)

 ? 築70年以上の古民家を利用した「土肥劇場」

 築70年近くの古民家の約12畳の居間部分に、座椅子やパイプ椅子を20席ほどを用意し、「お座敷劇場」として開催する同イベント。上映期間は一カ月間。

同イベント発起人の瀬戸慎吾さんは「おそらく日本で1番長い映画祭」と話す。

瀬戸さんはフリーの映画制作スタッフとして、邦画を中心に活躍するほか、ハリウッド映画「ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT」にもスタッフとして参加した経験がある。

 イベント開催のきっかけは、吉本ばななさん原作の、豊島圭介監督映画「海のふた」に瀬戸さんがスタッフとして土肥に訪れたことから。

瀬戸さんはその後、ツリーハウスを作り、同所を舞台にした長編作品「軽やかに地平を狙え!」を制作した。親交のあった地元住民から、「海のふた」のワンシーンに使った古民家を貸与されたことから、ひと夏限定の映画館の上映を決めたという。

 「デジタル化されたことにより、映画はもっと少人数で少ない予算で制作できることが可能になった。しかし、映画は作れても配給の課題があり、確実に売れる映画しか劇場では上映されないようになった。大きなシネコンは残り、スマートフォンやインターネットでの視聴も多い。多くの人と一緒に映画を見る映画祭の体験を続けたいという思い、上映する機会を増やしたいという気持ちから企画した」と瀬戸さん。

 今年で3年目になる同映画祭について、瀬戸さんは「全くもって利益が出なく、今年も赤字だが、それでも続ける理由は、土肥の夏がすっかり好きになってしまったから。海や景色はもちろん、ひと夏に会う土肥の人や伊豆の人、この場で交流する人たちも含め、自分が土肥を好きだから続けている」と話す。

 今年は12本ほどの映画を上映する予定。「桐島、部活やめるってよ」をはじめ、伊豆・戸田(へだ)地域が舞台の映画「湯をわかすほどの熱い愛」など。8月13日の「湯をわかすほどの熱い愛」上映時には、監督の中野量太さんによるトークショーも行う予定。

 今年は多くの人に関心を持ってもらうように、とVR技術を使ったおばけ屋敷も用意する。7月15日には同劇場でVRに使う映像の撮影を行った。出演者は東京から来た映画関係者や同映画祭で知り合った人など約17人。

 瀬戸さんは「この作品は土肥を舞台に作ったため、子どもだけでなく大人にも触れてほしい作品。映画祭に関心が薄い人でも、土肥やこのイベントを知ってもらうきっかけになれば」と話す。

 「今は減ってきている、映画を『体感』することをもっと増やしていきたい。体感していいき、他の人と共有する映画本来の楽しみをもっと多くの人に知ってもらいたい」とも。

 VRの先行体験は7月30日、道の駅「伊豆ゲートウェイ函南」(函南町)で行う。

映画祭プログラムは公式ホームページに掲載する。