DtoC(Direct to Consumer)ブランドを集積したポップアップ型百貨店「246st MARKET(246 ストリートマーケット)」が現在、青山通り(国道246号)沿いのワールド北青山ビル(港区北青山 3)にオープンしている。(シブヤ経済新聞)

 同所に東京オフィスを構える同社が、グループをあげたインキュベーション活動の一環となる同企画。同ビルを起点に、次世代のファッション業界のアイデアやチャレンジの支援を目的とした「クリエーターズサポートプログラム」を立ち上げ、地階には8月、縫製機器を配備した「ラボ」を開設している。今回は、生産者と消費者をつなぐ場として「百貨店」イベントを初めて企画した。

 コンセプトづくりから企画に携わっているファッション・クリエーティブ・ディレクター軍地彩弓さんが同イベントを思いついた一番のきっかけは、2017(平成29)年にNYで訪れた「キャナル・ストリート・マーケット」だったという。施設内の一方に小規模なアクセサリーやアパレルのメーカーが、もう一方に食のスタートアップが並び、中央にコワーキングスペースを展開している施設。「誰かがキュレーションして場を作れば、デジタルの中に点在しているブランドを集められるのでは」(軍地さん)と考えたという。

 什器をデザインしたのは建築家の百枝優さん。鴨長明の小さな住居「方丈庵」をテーマに、「折り畳める」「可変的」な什器に仕上げた。びょうぶ型の側板と棚板を組み合わせる仕組みで、収納時は畳んで持ち運べる。場内中央に置く椅子はスタッキングできるデザインに仕上げた。

  期間中は、軍地さんが「サスティナブル」をテーマにキュレーションした延べ15ブランドが出店する。「現代のワークウエア」の提案を図る「ALL YOURS」、LGBTQ当事者やそれを支援する人たちを「応援する」服を展開する「snails(スネイルズ)」、女性木型師が手掛けるオーダーハイヒールブランド「gauge(ゲージ)」、日本の伝統的な建築工法である「金輪継(かなわつなぎ)」に着想を得た天然石とリングを組み合わせる指輪のブランド「matlor(マトラー)」、主婦や年配の女性が手編みする完全受注性のバッグブランド「BEYOND THE REEF」、日本茶ブランド「美濃加茂茶舗」、果物店「フタバフルーツ」、食と農の社会課題の解決を図るマーケット&カフェ「imperfect」など。

 軍地さんは「洋服は着る人と作り手が主役。ここをダイレクトにつなげるような仕組みを、原点に戻るような気持ちでこの場を作った」と話す。ファッション業界は、サンプル作りなどの先行投資や売り手を見つけるための場所探しなどが若手やスタートアップの障害となっているが、「ここが初歩的なインキュベーターだと思って、こういう場でアピールしてほしい」と期待を込める。

 今回は、ブランド側から出店費などは取らずワールドが負担した。同社はSPA(製造小売業)ブランドを展開しているが、上山健二社長は「お客さまの情報を生かしながらモノづくりをしてはいるが、本当の意味ではダイレクトにつなぎきれていない。DtoCブランドの良さはお客さまとクリエーターがダイレクトにつながるところ。(同イベントを通して)当社の人間にももっとその意味合いが如実に分かるのでは。ワールドグループのクリエーターが自ら発信していく力を持つことや、とんがり方が今まで以上になってくるのは大きく期待している」と話す。「いろいろなことをしようとしているが、ブランドビジネスもしっかりと立っていかなくてはいけない。今まで以上にお客さまを引き付けるモノづくりにつながることも絶えずやっていきたい」とも。

 営業時間は12時〜18時(土曜・日曜・祝日は11時〜)。入場無料。9月23日まで。