スーパーサンワ舟津店(和歌山市湊御殿)で7月28日、「わかヤン3号・4号車出発式 〜買い物弱者を救え、移動スーパーわかヤンが行く!」が開催された。主催は「わかヤン本舗」。(和歌山経済新聞)

 わかヤンで買い物する人たち

 2015年10月にスタートした同サービス。生鮮食品や乾物、飲料など約300品目を積んだ冷蔵庫付きの軽トラックが週6日、10時から17時頃まで和歌山市内を巡回する。配送コースは全12経路。1号・2号車は和歌山市北部、3号・4号車は雑賀崎や和歌浦、山東などを走り、各コースには50〜60人の利用客がいる。利用客の平均年齢は80歳を超え、9割が女性という。特産品を生産する農家、老舗のパン店、クリーニングやリフォームなどの業者と提携し、独自のサービスを提供する。

 社長の井上和彦さんは地元スーパーマーケットを展開する「オークワ」(和歌山市中島)に33年間勤務し、仕入れや販売、商品管理、店舗などの責任者を務めた。退職後、社会貢献を志して介護資格を取得し、スーパー経営と介護の視点を掛け合わせ、移動スーパー「わかヤン」を事業化した。

 出発式で、事業協力する「スーパーサンワ」専務の和田訓昌さんは「わかヤン号のすごいところは、いい商品、おいしくて鮮度のよい商品を持っていくだけではなく、ヘルパー資格を持った販売員が高齢者の安否確認をしながら販売しているところ。井上社長は営利目的だけではなく、『買い物に困っているお年寄りの手助けをしたい』と社会貢献を目的に運営している」と話す。

「井上さんと販売車に乗った時、車両トラブルでトラックが細い道をふさいでしまった。地元の人の車も立ち往生して怒られると思ったが、地域の人が心配して家から出てきて助けてくれた。同じスーパー経営者としてうらやましかった」とも。

 井上さんは「販売する商品の廃棄率は1パーセント。商品選定には利率や回転率を基準にするが、何よりもお客さまに喜んでいただけるかどうかが大事。『山利のしらす』や『あらかわの桃』などの人気商品、特産品も直接仕入れし、低価格で販売している。『おざきのひもの』を食べたおばあちゃんには『80年生きてきたが、こんなにおいしい干物ははじめて』と喜んでもらえた」と話す。「高齢や住環境によって自分の足で買い物に行くのが難しくなっても、自分の目で商品を選び、買い物をする楽しさを提供したい。決まった曜日にお客さまが販売車を囲み、おしゃべりが始まる。そんな寄り合いとしての役割も大切にしたい。お客さまの暮らしを支援する社会貢献事業として役に立ちたい」と意欲を見せる。