住民の集団移転で1989年に廃村となった西都市・寒川(さぶかわ)集落の神楽の一部を再現するイベント「寒川神楽の帰還」が9日、市文化ホールであった。出身者、神楽保存会関係者ら約90人が懐かしい光景に見入った。
 「国文祭・芸文祭みやざき2020」関連イベント。市内の神楽団体でつくる「西都『まっぽす神楽』専門部会」が、81(昭和56)年が最後の奉納となった寒川神楽を、将来に語り継ぐ機会にしようと企画した。
 同部会によると、寒川神楽は全三十三番の演目があったが、舞いの詳しい所作などは既に不明となっている。この日は、寒川神楽の源流とされ、舞い方に共通点のある小川神楽(西米良村)など三つの保存会メンバーが奉納を担当。寒川神楽で実際に使われていた面や扇などの道具を用いて計4番を披露した。
 集落の暮らしを収録した映像の上映もあった。出身者で89年に村を離れたという同市の古田厚子さん(73)は「舞い手を担っていた男性たちの表情とか、いろんなことを思い出した。懐かしいね」と話していた。