執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
 
 
顔や身体のいわゆるむだ毛のケアは、いまや男女を問わない関心ごとでしょう。
 
脱毛や除毛など、体毛を処理する方法はいくつかありますが、日ごろ皆さんはどんな方法を選んでいますか?
 
そして、「体毛の処理」といえばしばしば耳にするアノ…「毛を剃ると濃くなる説」。
 
はたしてこの説は本当なのでしょうか?検証してみましょう。
 

◆ 「毛を剃ると濃くなる説」の浸透度は?
 
株式会社アイ・ビー・アイが行った「ムダ毛事情」に関するインターネット調査によると、なんと、20代〜60代の女性の53%が「毛を剃ると濃くなる」と思っていることがわかりました。
 
また、ゴリラクリニックが20代の男性を対象に行ったインターネット調査でも、「毛を剃ると濃くなる」と答えた人は57.3%にのぼりました。
 
これらの結果から、性別に限らずかなり多くの人が「毛を剃ると濃くなる」と思っていることがうかがえます。
 
 
◆「皮膚の毛を剃る」という処理とは?

わたしたちの毛は、それぞれ生える場所で身体を守る役割があります。
 
部位にもよりますが、衝撃に対する保護や、皮膚の保護、保温や断熱、紫外線防止など、毛は本来身体にとって必要であるといえます。
 
とはいえ、見た目の問題から、体毛を処理したいと思う方は多いでしょう。
 
なかでも、あまりお金のかからない手軽な方法として人気なのが、カミソリなどによる除毛です。
 
それでは、カミソリで毛を剃った皮膚はどのような状態になるのでしょうか?
 
皮膚の毛には、表面よりも深いところに「毛球」という毛の基部となる組織があります。
 
そのため、カミソリなどで皮膚表面に沿って除毛すると、毛球が残され毛は途中からカットされることになります。
 
そうなると、毛は切り口(=根元の太い部分)が最上部となり、さらに育っていくので、とくに上から見ると濃くなったように感じる、と考えられています。
 
実際に毛自体が濃くなるわけではないのです。
 
 
◆カミソリと毛抜き…どちらの処理がよい?

前述のとおり、カミソリなどで毛を剃っても毛が濃くなることはありません。
 
とはいえ、カミソリなどによる除毛は、頻繁に処理が必要であるため、毛抜きやワックス剤などを用いて、自分で脱毛をする方も多いのでしょう。
 
しかし、皮膚科医の慶田朋子医師によれば、これらの方法には出血や炎症、黒ずみのリスクがあるそうで、肌へのダメージを防ぐためには「カミソリで剃る」ことをすすめています。
 
ただし、カミソリによる除毛も、できるだけ皮膚の角質にダメージを与えないように、正しい方法で処理することが必要です。
 
次項では、カミソリで除毛する際の注意点をご紹介します。
 
 
◆カミソリで毛を剃るときの注意点

・皮膚を温める
 
毛は温めると柔らかくなる性質を持っています。
 
剃る前に蒸しタオルなどで皮膚や毛を温め、血行が良い状態にすると処理しやすくなります。
 
身体が温まっている入浴後の処理もおすすめです。
 
ただし入浴中は、肌が濡れていて皮膚の角質をはがしてしまう可能性がありますので控えましょう。
 

・クリームやジェルを使う
 
皮膚が乾燥した状態ではなく、クリームやジェルを使ってできるだけ摩擦を減らし、皮膚に負担をかけないようにしましょう。
 

・剃る方向に注意する
 
カミソリは、毛の生えている方向に合わせて滑らせます。
 
反対方向に剃ると、皮膚の負担になることもありますので注意してください。
 
また、一気に剃るのも皮膚に過度な刺激を与えますから少しずつ剃りましょう。
 

・剃ったあとは保湿する
 
このように細かな注意をはらっても、やはり除毛後の皮膚というのは繊細な状態になっています。
 
ワセリンなどで保湿をし、皮膚を保護してあげましょう。
 

・カミソリは清潔に保つ
 
当然のことながら、不衛生なカミソリを使っていると、炎症など皮膚トラブルの原因になります。
 
定期的に交換して、常に清潔なカミソリを使うことを心がけましょう。
 
 
【参考】
・株式会社アイ・ビー・アイ インターネット調査
・ゴリラクリニック(医療法人社団十二会) インターネット調
・北海道大学大学院医学研究院・医学部 皮膚科「新しい皮膚科学 第2版」より
・日経ウーマンオンライン「働く女性の脱毛研究会」
 
<執筆者プロフィール>
吉村 佑奈(よしむら・ゆうな)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。某病院での看護業務を経て、現在は産業保健(働く人の健康管理)を担当
 
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供