執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師)
医療監修:株式会社とらうべ
 
 
「しもやけなんて昔の病気でしょ?」なんて思っていませんか?
 
いえいえ、そんなことはありません。
 
日常生活の過ごし方によっては、今も「しもやけ」は誰にでも起こりうる症状です。
 
童謡「たき火」の歌詞には、かわいらしいフレーズで登場する「しもやけ」ですが、実際にできるとなかなかつらいものです。
 
今回は、冬の季節病ともいえるこの病気について解説します。
 

◆しもやけとは…
 
しもやけは漢字では「霜焼け」と書きます。
 
医学名は「凍瘡(とうそう)」といいます。
 
冷たい外の空気にさらされた後、手足の指先・耳たぶ・頬・鼻などが赤く腫れあがり、水ぶくれになることもあります。
 

◆しもやけの原因
 
しもやけは、1日の気温差が10度以上になると起こりやすい症状です。
 
時期としては、晩秋から初冬、冬の終わりから春先にかけてなど、寒暖差の大きい季節に多く発症します。
 
私たちの体には、体温を調節する働きが備わっています。
 
寒くなると血管を収縮させ血液をあまり流さないようにして、体内の熱が外に逃げるのを防ぎます。
 
反対に、暖かくなると血管は拡張します。
 
ところがこのとき、動脈は温められると元に戻りやすいのですが、静脈は戻りにくいという性質があります。
 
この時間差が血液の流れを滞らせ、体の末梢部分の手足や耳などは血行のコントロールがしにくくなります。
 
そうして、うっ血や炎症といった症状が起こると考えられています。
 
しかしながら同じ環境でも、しもやけになる人とならない人がいます。
 
これは、遺伝的な関係もあって体質による違いだといわれています。
 
また、汗をかいた後や水仕事の後に、皮膚が濡れたままの状態でいると、水分が蒸発する際急激に皮膚の体温を奪いますので、しもやけになりやすくなります。
 
 
◆しもやけの症状
 
しもやけには主に次のような症状があります。
 

・手や足が全体に赤く腫れる

・手足の指、手のひら、足の裏に赤い発疹がでる

・手足の指が赤黒く変色する

・歩くときに足に痛みを感じる
 
 
また、しもやけには2つのタイプがありますが、どちらもひどくなると水疱ができ、やがて破れてただれてしまいます。

 
1. 樽柿(たるがき)型

手足全体が熟れた柿のように腫れあがる

 
2. 多形滲出性紅斑(たけいしんしゅつせいこうはん)型

手や足の指、耳たぶ、鼻、頬に赤い発疹がでる
 
 
さらに、しもやけができている状態で肌が乾燥すると、皮膚の角質層の間に亀裂ができ、切れて出血したりしますが、これをヒビまたはアカギレといいます。
 
しもやけは「寒暖差」、ヒビ・アカギレは、「乾燥」が要因になっています。
 
 
◆しもやけの治療
 
ビタミンEの塗り薬を使用します。
 
毎年しもやけを繰り返す場合は、ビタミンEの飲み薬を飲むと効果があります。
 
ヒビやアカギレには、ワセリンなどの軟膏剤をラップに塗って患部を包む「湿潤療法」を用います。
 

◆しもやけの予防
 
しもやけに毎年悩まされる人は、冬場の外出時には、手袋・マスク・耳当てなど、露出しやすい部分をしっかりと防寒して冷気を避けてください。
 
あわせて注意していただきたいのは、靴や衣服です。
 
先の細いパンプスや窮屈なブーツなどは、長時間履き続けると指先が圧迫され血行が悪くなりますし、汗をかいた衣類を湿ったまま着ていると、肌が冷えてしもやけになる可能性があります。
 
食事面におけるしもやけの予防は、ビタミンEの摂取です。
 
ナッツ類(アーモンド・ピーナッツ・ヘーゼルナッツ)、緑黄色野菜(ほうれん草・モロヘイヤ・かぼちゃなど)、魚類(うなぎ・たらこ・いくら・からすみなど)、植物油(紅花油・ひまわり油・菜種油・マーガリンなど)、抹茶、卵、木綿豆腐などに多く含まれています。
 
 
しもやけは、できてしまうと治るまでに時間がかかり、とてもつらいものです。
 
まだまだ寒暖差の大きい季節が続きます。
 
症状に心当たりのある方は、自分の体質を知り、外気にさらされるときには防寒対策を心がけ予防しましょう。
 
 
<執筆者プロフィール>
南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケア公認講師・株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。タッチケアシニアトレーナー
 
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供