執筆:山本 ともよ(管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー)
医療監修:株式会社とらうべ
 
 
近年注目を浴びている「ロカボ」。
 
とりわけ「ロカボスイーツ」は、ダイエットでタブー視されるスイーツがOKという触れ込みで、さまざまな製品が販売されています。
 
甘くて美味しいロカボスイーツ!
 
でもちょっと待って、どうして甘いのに糖質が抑えられるのか、不思議に思いませんか。
 
ダイエットへの効果は期待できるのでしょうか?
 

◆低糖質について
 
炭水化物は英語でcarbohydrates(カーボハイドレイト)、略して「カーボ」とも呼ばれます。
 
そして、炭水化物を制限する「低炭水化物」を意味する「ローカーボ」から「ロカボ」に転じています。
 
「ロカボ」を提唱した一般社団法人 食・楽・健康協会は、極端な炭水化物抜きではなく、美味しく楽しく適正な糖質量を摂ることを推奨しています。
 
一般に糖質とは、炭水化物のうち、消化されない食物繊維を除いたものを指しています。
 
糖質には次のような種類があります。
 

・多糖類
 ご飯やパンに含まれるでんぷんなど

・小糖類
 オリゴ糖、砂糖など

・単糖類
 ブドウ糖、果糖など

・糖アルコール
 キシリトール、マルチトール、エリトリトールなど
 
糖質のエネルギーは1gあたり4kcalです。
 
ただし、糖アルコールのエネルギー量だけは2kcalで、なおかつ甘みがあり体内に吸収されにくいという性質を持っています。
 
そのため「低カロリー甘味料」として利用されています。
 
 
◆ロカボの目的
 
ロカボを取り入れる目的は、ダイエットや健康維持(病気の予防)のためであると言われています。
 

・ダイエット
 
糖質を過剰に摂取すると、消費しきれないエネルギーは脂肪として蓄えられ、結果肥満につながります。
一方摂取する糖質が少ないと、代わりに脂質やたんぱく質がエネルギー源として利用されるため体脂肪を燃やします。
こうした代謝の仕組みから低糖質がすすめられています。
 

・健康維持(生活習慣病の予防)
 
糖質を摂ると血糖値(血液中の糖質量)が上昇し、これを下げようとインスリンが働いて糖質を体脂肪に変えます。
体脂肪が増えることで生活習慣病を発症するリスクが高まります。
ですので、ロカボは糖質摂取量の制限によって血糖値の上昇を抑え、生活習慣病の発症を予防することを目指しています。
 
 
実際に糖質制限食を行った研究結果によると、体重減少のほか血圧や血中脂質・血糖値が低下したという報告があります。
 
しかし、現在のところ長期的な効果については示されていません。
 

◆ロカボの適正糖質量とその実践方法
 
「日本人の食事摂取基準2015年版」(厚労省)では、1日あたりの炭水化物の目標量は総摂取カロリー50〜65%と示されています。
 
たとえば、デスクワーク中心で活動量が低い30代の場合、男性287.5〜345g、女性218.8〜288.4gと算出されます。
 
ちなみに、「国民健康栄養調査」(厚労省)では日本人成人の平均摂取量は253.8gと報告されています。
 
これに対してロカボでは、1日に摂取する糖質量を70〜130gにするのが適正とされています。
 
そのため、ロカボを実践する食生活のポイントとして次の3点が挙げられています。
 
 
・ご飯の目安量は1食あたり50g
 
コンビニのおにぎり1個のご飯量は約100gで、糖質量は35gほどです。
ご飯以外のおかずの味付けや野菜などの素材にも糖質は含まれます。
そこで、ロカボではご飯の目安量50g程度、糖質量18g程度とされています。
 

・おかずをたっぷり食べる
 
糖質が多い主食を減らす分、おかずをたっぷり食べるのがロカボの食事法です。
おかずについて制限はしていません。
 

・低カロリー甘味料を活用する
 
糖質を1日70〜130gに抑えるためには、1食あたり20〜40gと間食で10gが目安となります。
しかも、主食を抑える分おかずをたっぷり食べることが「おいしく楽しく」続けるコツだといわれています。
 
とはいっても、おかずの素材や味付けにも糖質が含まれます。
また、間食食材にも糖質は多く含まれます。
例えば、シュークリーム15.4g、みたらし団子22.6g、プリン22.1g、ポテトチップス1/2袋16.4gなどです。
10gの範囲内で選択するのは簡単ではありません。
 
そのため、味付けやお菓子で利用する甘味料は低カロリー甘味料を活用すると、ロカボを実践しやすくなります。
 
 
◆ロカボスイーツを上手に取り入れるポイント
 
低カロリー甘味料を利用したスイーツはバラエティ豊富に揃っています。
 
最近では、食・楽・健康協会がさまざまな企業と提携して「ロカボマーク」のついた糖質量記載をしている製品も多くみられます。
 
これらを上手に取り入れると効果的にロカボを実行できるでしょう。
 
しかし、いくら低糖質でも摂り過ぎては意味がありません。
 
また、なかには低カロリー甘味料だけでなくカロリーのある糖質が含まれているものもあります。
 
ですから、ロカボを実践しながらスイーツを摂取するときは、マークの有無にかかわらず糖質量10g以下を目安に選ぶとよいでしょう。
 
 
ロカボというと「糖質を抑えれば何をどれだけ食べてもよい」と誤解している方もいるようです。
 
今回ご説明したように、ポイントは「適正糖質量を目安にすること」ですが、併せて、腹八分目やよく噛むことなども意識して、ご自身の身体の変化をチェックしつつ、上手に取り入れてみてはいかがでしょうか。
 
 
【参考】
・一般社団法人 食・楽・健康協会
・糖質制限食の研究結果 参考文献
・厚生労働省『日本人の食事摂取基準』
・厚生労働省『国民健康・栄養調査』
 
 
<執筆者プロフィール>
山本 ともよ(やまもと・ともよ)
管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー。
株式会社 とらうべ 社員。企業で働く人の食と健康指導。糖尿病など疾病をもった人の食生活指導など活動中
 
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供