都市部への一極集中が問題となる一方で、働き方改革や新型コロナウイルスの影響などによるテレワークの普及もあり会社員が地方で暮らす環境も整いつつある。会社員としては実際のところ都会と地方のどちらで暮らしたいと考えているのだろうか。全国の20〜50代の会社員を対象に調査を行った。

Q. 都会と地方どちらに住みたいですか?

都会 57.6%
地方 42.4%

年収は変わらない前提で聞いた。都会暮らしを希望する会社員が全体の6割弱を占め、都会の方がやや人気が高い結果となった。

男女別で見ると、都会と回答した男性が55.1%であるのに対し、女性は63.7%であった。女性の方が都会志向が強い傾向にあるようだ。

世代別では、都会と回答した会社員は20代で65.2%、30代で57.1%、40代以上で56.4%だった。若い世代に都会志向が強い。

子どもの数別で見ると、子どもがいない人では58.5%、子どもが1人いる人では63.5%、2人では54.5%、3人以上になると33%が都会と回答していた。子どもが2人以上になると地方が好まれやすくなるようだ。

都会を希望する理由

「交通の便がいいし何でもあるから」(男性、40代)
「店や病院が充実しているから」(男性、40代)
「田舎は情報や流行が遅い、近所付き合いが面倒」(女性、30代)
「仕事、学び、趣味、旅行の機会に恵まれている」(女性、30代)
「地方では交通等の便が悪いので、老後不便」(男性、20代)
「文化施設の多いところが良いと思うから」(男性、40代)
「いつまでも刺激的なライフスタイルを送りたいので」(男性、40代)
「便利だから。田舎の不便さを知っているから」(男性、40代)
「車の運転ができないから」(女性、20代)

都会を選ぶ理由としては「便利だから」が圧倒的多数を占めた。文化面での充実も魅力として多く挙げられている。また地方の人間関係をわずらわしく思う人も少なくない。

地方を希望する理由

「物価が安いので」(男性、40代)
「人混みの多いところは苦手です」(男性、40代)
「家族みんなの生活環境を考慮する」(女性、40代)
「住み慣れた地方がホッとする」(女性、30代)
「自然豊かな場所がすきだから」(女性、20代)
「金銭的な余裕に差が出るから」(男性、30代)
「コロナウイルスに感染しにくいから」(男性、40代)
「のんびりしたい」(男性、40代)
「土地が広い」(男性、30代)

地方を選ぶ人の理由としては、物価の安さや、人混みから離れのんびりできることを挙げる人が多かった。コロナウイルスを理由として挙げる人も見られ、コロナ禍で地方が見直された側面もありそうだ。

Q. 年収がいくらであれば実際に地方に住んでもいいと思いますか?

地方に住みたいと回答した人に聞いた。

200万以下でもいい 7.2% (10.3%)
201万〜300万円程度 8.2% (9.8%)
301万〜400万円程度 15.5% (16.5%)
401万〜500万円程度 19.6% (14.9%)
501万〜600万円程度 15.5% (13.9%)
601万〜700万程度 4.6% (6.7%)
701万円以上 17.5% (14.5%)
年収はいくらでもいい 11.9%

括弧内の数字は、地方に住みたい回答者が現在得ている個人年収の比率。現在の年収は「わからない」が13.4%であった。

301万円〜600万円程度を希望する人が全体の50.6%を占めた。現在の年収の分布と大きな乖離は見られないが、全体として、現在の年収よりもやや高い年収を希望する傾向にあるようだ。

最後に、その年収を希望する理由を聞いた。

「贅沢を望まなければ生活していけるから」(希望額200万円以下、男性、40代)
「セミリタイア暮らしをしてみたい」(希望額201万〜300万円程度、女性、30代)
「それぐらいあれば生活できると思ったため」(希望額301万〜400万円程度、女性、30代)
「年金以外の老後資金を準備しつつ、貧困でも贅沢でもない生活をするため」(希望額401万〜500万円程度、男性、40代)
「やりたい事が出来て生活苦にはならない額だと思うので」(希望額501万〜600万円程度、女性、40代)
「子供の養育費を考えて」(希望額601万〜700万円程度、男性、40代)
「地方では車などに維持費がかかるから」(希望額701万円以上、男性、40代)
「生活が成り立てば良い」(希望額はいくらでもいい、男性、40代)

400万円程度までを望む人は、安い物価でつつましく暮らしていきたいという希望が多い。501万円以上になると、ある程度豊かな暮らしを地方で実現したいという希望が強くなってくる。

便利さや刺激を求めて都会暮らしを好む会社員の方が多いが、地方で暮らしたいという会社員はお金にゆとりが生まれることを期待する傾向が見られる。

地方の方が生活費は安いと考える会社員が多いが、実際に地方暮らしで希望する年収額は全体として現在の年収よりも高くなる傾向が見られた。現実的には「収入が下がっても良いから地方に住む」とはあまりならないのかもしれない。

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(三田祐介)

「お金に関するアンケート」
調査方法:インターネットによる調査
調査時期:2020年5月
調査対象:全国20〜50代の会社員
有効回答数:458件