子育てしながら働いている人を支えるべく、子育て世帯向けの支援制度は年々充実してきている。2019年12月27日に育児・介護休業法が改正されたことによって、2021年1月1日から子の看護休暇が時間単位で取得できるようになったのも、その1つだ。

ファイナンシャルプランナーの氏家祥美さんに、子育て世帯にとって力強い味方になってくれる支援制度を教えてもらった。

「1時間だけ」の看護休暇が取得可能に

「これまで半日単位で取得できた子の看護休暇が、2021年1月から時間単位で取得できるようになったことは、大きな変化だといえます。例えば、風邪をひいた子どもを病児保育に連れていく時など、1〜2時間あれば用事が済む際に取得しやすくなったのです」(氏家さん・以下同)

子の看護休暇は、小学校就学前の子が1人の場合は1年度につき5日、2人以上の場合は1年度につき10日を限度に取得でき、改正後も限度に変更はない。累計5日分または10日分に到達するまで、時間単位での取得が可能だ。

子どもが1人、1日6時間働く母親の場合
6時間×5日=30時間が取得の限度となる

厚生労働省は、会社が「中抜け」ありの休暇取得を認めるよう、配慮も求めている。「中抜け」が認められれば、昼休憩+1時間看護休暇を取得し、子どもを病院に連れていった後、病児保育に預けてから仕事に戻るといった使い方もできる。

「改正によって、もう1つ変化した部分があります。これまでは1日の所定労働時間が4時間以下の人は対象外だったのですが、1月からはすべての労働者が対象となった点です。つまり、労働時間の短いパートタイマーでも利用できるようになりました。子育てしながら働きやすい環境に、一歩近づいたといえます」

実は会社に義務づけられている「時短勤務」

あまり知られていないが、3歳未満の子どもを育てている労働者は、1日の所定労働時間を原則として6時間にできる「短時間勤務制度」が設けられている。

「『短時間勤務制度』は、2009年の育児・介護休業法の改正により、会社に導入が義務づけられている制度。勤めている会社に子育て支援の制度がなかったとしても、労働者が希望すれば、1日6時間の時短勤務が可能なのです」

ただし、下記に該当する場合は「短時間勤務制度」適用除外とされることもあるため、注意が必要。
(1)当該事業主に引き続き雇用された期間が1年に満たない労働者
(2)1週間の所定労働日数が2日以下の労働者
(3)業務の性質又は業務の実施体制に照らして、短時間勤務制度を講ずることが困難と認められる業務に従事する労働者

労働時間を原則6時間とする制度であるため、1日の所定労働時間が6時間以下の人も対象外となる。

「会社に『短時間勤務制度』の適用を求める場合は、育児休業などと同様に、1カ月前までの申し出が必要とされていることが多いのです。余裕をもって申請することで、引き継ぎの負担などが減り、スムーズに時短勤務に移行できるでしょう」

両親ともに育児休業を取ることで育休期間が延長

両親が協力して子育てできるようにスタートした「パパ休暇」「パパ・ママ育休プラス」も、見逃せない制度だ。

パパ休暇
子どもが生まれてから8週間以内に父親が育児休業を取得した場合、特別な事情がなくても、父親は再度育児休業を取得できるという制度。

「『パパ休暇』を使えば、1回目の育休で産後のママをサポートした後、2回目の育休はママの育休が終わるタイミングで取得して、ママの職場復帰をサポートするといったことができます」

パパ・ママ育休プラス
子どもが1歳に達するまでに、両親がともに育児休業を取得した場合、育児休業期間が、子どもが1歳2カ月になるまでに延長される制度。ただし、親1人当たりの育休取得可能最大日数は、産後休業含め1年間。

「例えば、ママが産後休業からそのまま育休に入り、半年後にパパが育休を取得した場合、ママは子どもが1歳になる時点で育休が終わりとなりますが、パパは1歳2カ月になるまで育休を延長できるのです。保育園に入れないなど、やむを得ない事情がある場合は、最長で子どもが2歳になるまで延長されることもあります」

育児休業中に給付される「育児休業給付金」は、育休開始から6カ月以内は休業開始時の賃金の67%とされている。氏家さん曰く、「一気に収入が減るように感じますが、一概にそうともいえない」とのこと。

「育休中は社会保険料が免除されますし、『育児休業給付金』には所得税がかかりません。つまり、『育児休業給付金』から天引きされるものはないため、給与全額ではなく手取り額と比較した方が正確だといえます。そして、手取り額と比べると8割程度は給付される人がほとんど。そのくらいの減額と考えれば、男性も育休を取りやすくなるのではないでしょうか」

子育て支援の制度は、当事者が使いやすい内容へと徐々にアップデートされている。情報をしっかりインプットして、有効的に利用しよう。
(有竹亮介/verb)