株式会社の中には、従業員持株会やストックオプションなど自社の株式を従業員に保有させる制度を導入しているところも多い。こうした制度を会社員はどう思っているのか、(自社株も含め)運用益を目指した投資を行っている、全国の20〜40代の会社員362人を対象に調査した。

Q. 現在のお勤め先の株式はお持ちですか?

持っている 46.1%
持っていない 39.3%
勤め先が株式を発行していない 14.6%

投資を行っている会社員のうち半数弱の46.1%が勤務先の株式を保有していた。

世代別に見ると、勤務先の株式を保有している人は20代で59.4%、30代で49.1%、40代で28.6%と、若い世代ほど多かった。

男女別では、勤務先の株式を保有している人は男性で50.3%に対し女性が42.5%とやや低い。

自社株を保有している会社員に、その株式の入手経路を訊いた。

Q. その株式はどのような形で入手しましたか? 複数ある場合は一番割合の多いものをお答えください。

持株会で購入 75.4%
ストックオプションで獲得 15.6%
自分で証券会社などから購入 9.0%
その他 0.0%

「持株会で購入」した人が最多で75.4%を占めた。近年注目を集めるようになってきているストックオプションで獲得した人は15.6%だった。

こちらを世代別に絞って傾向を見ると、ストックオプションで獲得した人は20代のうち19.0%、30代のうち16.7%、40代のうち5.9%と、40代で顕著に少ない。「自分で証券会社などから購入」した人は20代のうち3.8%、30代のうち13.0%、40代のうち14.7%と、逆に20代で顕著に少なくなった。

自社株の入手経路としては全世代で持株会が大きな部分を占めるが、ストックオプションの恩恵を受けるのは比較的若い会社員が多く、逆に世代が上がると自発的に自分の会社の株式を買う人が多くなるという結果となった。

Q. 自社株を持つ制度をどう思いますか?

良いことだと思う 76.0%
良くないことだと思う 5.2%
わからない 18.8%

投資を行っている会社員のうち76.0%は自社株を持つ制度を良いことだと考えている。「良くないことだと思う」人は5.2%にとどまり、総じてかなり好意的に受け止められていると言ってよさそうだ。

「良いことだと思う」人の割合は、自社株を保有している人では91.0%に対し、保有していない人では58.5%と低くなった。ただし、「良くないことだと思う」人は自社株の保有者3.6%に対し非保有者でも7.0%にとどまり、自社株を保有していなくても必ずしも否定的に受け止めているわけではないようだ。

Q. 前問のお答えの理由を教えてください。

【良いことだと思う】
「頑張った分、利益が還元されるから」(男性、30代)
「インセンティブがつくから」(女性、40代)
「業績が株価に連動するので、モチベーションは上がると思う」(男性、40代)
「会社への貢献度が高くなり、自分の成果で株価を上げるなど仕事へのモチベーションも上がる上に投資にもなるから」(男性、40代)
「自分の働いている会社概要や存在意義、経営理念をより意識するようになり、それは視野を広げる上で大切なこと。たとえ運用が好調でないにしても資産運用に触れる貴重な機会になる」(男性、40代)
「会社の動向をよく知れる」(女性、40代)
「個人で証券会社を通して購入するより、安く購入できるから」(女性、30代)
「自社の株価を上げるために業績を良くしようと努力できるから」(男性、40代)
「愛社精神や会社への帰属意識が高まるから」(男性、40代)
「自分の会社は自分で守る」(男性、40代)
「将来の展望がわかりやすい自社の株を売買できるため」(男性、20代)
「景気が良ければ配当もいいし、退職後に返ってくる」(男性、40代)
「会社のことが好きだから」(男性、40代)
「自分の会社を応援できるから」(男性、30代)
「自分じゃやり方がわからないから」(女性、20代)
「使いやすくて魅力的。インパクトがある。斬新な感じ。コストパフォーマンス高い」(男性、30代)
「ノウハウがしっかりしており、運用も簡単で初心者でも扱いやすいかと思うため」(男性、30代)
「自分の働き甲斐を考えても株価が上がった時と努力が結び付いたり、常にやる気を持って取り組めそうだから」(女性、20代)
「自分自身が会社の一員として、しっかり経営のことまで考えるようになるから」(女性、30代)
「社員のための会社か株主のための会社かといった争論にならずに済むので、自社株を持つことでモチベーションが上がると思う」(女性、40代)
「自社の運営や営業についてより責任を感じながら働けそうなのは良いと思う。自由に売買できないのは困るが」(女性、30代)
「会社の株を持っていれば、会社の業績や利益に興味が高まり、より仕事のモチベーションに繋がる」(男性、40代)

【良くないことだと思う】
「社員に株購入を強要することがあるかもしれないから」(女性、20代)
「上場しないから」(男性、40代)
「自分でもっと成長株を選んで持ちたいから」(女性、20代)
「利益が得られるのは保証できないから」(男性、30代)
「リスクが高いため」(男性、20代)
「値上がりが期待できないから。すぐに売買できないから」(男性、20代)

肯定的に捉えている会社員の理由としては、投資を始めるきっかけになったり、奨励金が出ることのメリットの他に、モチベーションの向上や会社との一体感を挙げる人も多かった。総じて自分の会社への愛着や帰属意識に結びついているようだ。

一方、否定的な理由としては、リスクや自由度の低さなどが挙げられていた。

Q. 社員が自社株を持つ制度を利用してみたいですか?すでに利用している方は、今後も利用したいかをお答えください。

利用したい 79.3%
利用したくない 20.7%

ほぼ8割の会社員が自社株を持つ制度を利用したい・利用継続したいと考えていた。既に自社株を持っている人の中では95.8%が(今後も)利用したいと答えており、非常に満足度が高いことがうかがえる。

自社株を保有する制度を利用している会社員の回答からは総じて会社への好感度の高さがうかがえた。こうした制度は投資への入り口となると同時に、会社員の会社に対する意識や好感度も高めてくれているようだ。

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(三田祐介)

「あなたご自身に関するアンケート」
調査方法:インターネットによる調査
調査時期:2022年3月
調査対象:全国20〜40代の会社員
有効回答数:362件