※この記事はJPX「新市場区分特設サイト」上で2021年12月30日に掲載した記事の再掲載です。

第7話はこちら。

登場人物

あらたくん
・市場 新(いちば あらた) 22歳男性
・東証一部上場企業・兜商事に勤めはじめた新入社員
・東証二部上場企業・日本橋造船で技術職として勤める父、マザーズ上場企業・フューチャーバイオで研究職として勤める兄がいる
・父の勧めで東証一部の会社に入社したが、「東証一部」がなくなると聞き、焦っている
・カブノさんは職場の先輩

カブノさん
・株野 未来(かぶの みらい) 30歳女性
・前職は証券会社だったため、市場区分見直しについて関心はあるが、詳しくは知らない
・証券会社勤務時代のつながりで、東証にタスクさんという知り合いがいる

 

タスクさん
・成長 助(なるなが たすく) 28歳男性
・東証上場部に在籍
・市場区分見直しについて色々教えてくれる

 

 

(あらたくん)
タスクさん、先日カブノさんと一緒に僕が持っている株の情報を見ていたら、どの新市場区分を選択するかとあわせて、「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」というものを公表していたんです。

(カブノさん)
中身を読むと、「当社は新市場区分の基準に適合していません」って書いてあるけど、大丈夫なの?

(あらたくん)
上場廃止になってしまうのかと思うと不安で不安で・・・

(タスクさん)
それは「経過措置」に関する開示ですね。

(あらたくん)
経過措置ですか?

(タスクさん)
今回の市場区分の見直しでは、新しく上場をするための基準と上場を維持するための基準を原則として共通化する、というのは既にお話ししたとおりだけど、その結果、上場維持のための基準が引きあがっている部分があるんだ。

(あらたくん)
基準が大きく変わったのであれば、対応するための期間が少しほしい気もします。

(タスクさん)
そこで、当分の間は、上場維持のための基準を緩和して、その緩和された基準を満たしていれば、新市場区分で上場が維持できることにしているんだ。これを経過措置と呼んでいるよ。
「緩和された基準」は、市場区分見直し前の基準と同水準としているね。

(カブノさん)
でも、それと「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」はどういう関係なの?

(タスクさん)
いまお伝えしたとおり、経過措置が適用されている間は、緩和された基準を満たしていれば上場維持ができるのですが、これはあくまで一定期間だけの対応です。
その一定期間内に本来の基準に適合できるように取り組んでもらうため、適合に向けた計画を策定・開示してもらうことにしたんです。

(カブノさん)
なるほどね。
ただ、もちろん計画を策定することも大切だけれど、新市場区分に移行した後、もともとの計画どおりに対応が進んでいるかどうかも重要じゃないかしら。

(タスクさん)
おっしゃるとおりです。
そこで、実際に適合するまでの間、年1回は、進捗状況を開示してもらうことにしています。

(カブノさん)
なるほど、よくわかったわ。でも、経過措置はいつまで続くの?

(タスクさん)
現時点で具体的な期間を決めているわけではないですが、適合に向けた計画には、何年かけて本来の基準に適合しようと考えているのかを書いてもらっているので、その内容や実際の進捗状況などを見ながら決めたいですね。

(タスクさん)
たくさんの会社が上場したいと思ってくれるのは取引所としてもありがたいことだけれど、一般の方々に投資をしていただく以上、いつでも誰でも上場できるということにはしてないんだ。

(あらたくん)
とりあえず、僕の株がいきなり上場廃止になるわけではないってことは安心しました。でも、計画に沿って頑張ってもらいたいところです。

(タスクさん)
適合のための計画を開示している会社の中には、すでに計画を実行に移していただいている会社もあるみたいだね。

(カブノさん)
まだ新市場区分には移行していないけれど、成長に向けた上場会社の動きがもう出始めているということね。

(タスクさん)
来年はますますその動きが加速していくはずですね。

(おわり)