「貯蓄から投資」が言われ始めて20年近く経ちますが、その流れは未だ起こりません。

投資INSIDE-OUT〜人生100年時代の資産形成〜では、これまでの状況を検証し今後の見通しについて考えます。

現預金1,088兆円は動くのか?

6月27日、日銀は資金循環統計(2022年第1四半期)を公表しました。家計金融資産額は前年同期比+2.4%の2,005兆円と年度末としては最高額となりました。このうち、現金・預金が1,088兆円で、全体の54%を占めています。海外での現預金の比率は、米国で13%(2021年3月末時点)、ユーロ圏で34%(同)となっており日本は現預金に偏っていることが明白です。

理由としては、高齢化の進展や1990年代のバブル崩壊によるマイナスイメージから株取引などへの抵抗感が強いことなども挙げられます。しかしもっとも大きい理由の一つは、長期にわたり「デフレ経済」であったことだと考えられます。

1990年代後半から、日本では物価が下落傾向となりました。バブル崩壊の流れにともなって発生した1997年の金融危機を背景に、個人・企業ともにより安いモノを求めるようになりました。モノの値段が下がる「デフレ経済」では、現金を持っている方が有利とされます。例えば、10万円のパソコンが3カ月後に9万円になるのであれば、なるべく買う時期を遅らせる(現金を長く持つ)方がより合理的な行動とも考えられるでしょう。

しかし、この動きにも少し変化が見られ始めています。1年前(2021年3月末)と比べると、個人の金融資産全体の増加は2.4%ですが、うち投資信託は10.4%の増加となっています。今年に入ってから、多くの商品やサービスが値上げされていることが背景にあると考えられます。

モノの値段が上がる「インフレ経済」では、10万円のパソコンが数カ月後には11万円になる可能性があります。その場合、現金の価値が下がってしまう前に今すぐ買ってしまう方がよいと考える人もいるでしょう。一方、現金の価値の目減りを回避するため、資産運用を行うことも合理的な行動と言えそうです。

政府は、今年の「骨太の方針」(経済財政運営と改革の基本方針)の中で、「資産所得倍増プラン」を打ち出しました。家計金融資産を貯蓄から投資にまわし、経済の好循環を促すのが狙いです。NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)の拡充・改革など税制優遇を図ることで、その実現を目指しています。老後資金問題や教育資金などへの一助となるよう、資産形成への流れがさらに進むことが期待されます。

政府の旗振りも重要ですが、デフレに逆戻りしない経済を確立することが、「貯蓄から投資」への近道かもしれません。

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(提供元:三井住友トラスト・アセットマネジメント)