野村アセットマネジメントでは、年4回、経済・金融市場見通しや投資戦略をインベストメント・アウトルックとしてお届けしています。

ポストコロナに加えて金利上昇がREIT市場のテーマに

2021年はコロナ禍後の経済活動回復を織り込む形でオフィス、ホテル、商業セクターのリターンがプラスに転じましたが、一方で感染再拡大やテレワーク定着により在宅時間増加が継続した場合、eコマースやそれを支える物流施設の需要につながるとの見方から物流セクターのリターンも好調に推移しました。

2022年は海外市場での金利上昇の間接的な影響を受ける形で、成長性が高い一方利回りが低いことから金利上昇による投資魅力度の低下が意識されやすい物流セクターのリターンがマイナスに転じました。入国規制緩和などポストコロナでの回復が期待されるホテルセクターのリターンは好調でした。

オフィス市況は一進一退

コロナ禍以降、テレワークとの親和性が高いIT関連企業や一部の業績が悪化した企業からのオフィス解約の影響により空室率は上昇基調で推移してきました。足許空室率の上昇は一旦止まりつつありますが、オフィス市況は依然一進一退の状況が続いています。コロナ禍による様々な制約によりオフィス移転や新規開設を検討することが困難となっていたテナントからの需要は徐々に回復し始めてはいるものの、出社率低下により余剰となったオフィスの解約も発生しており、オフィス賃貸市場全体として需給バランスが大きく改善するには至っていない状況です。

オフィス供給が増加する中で賃料は上がりづらい展開へ

オフィス賃貸市場の需給バランスが本格改善に至らない中で、2023年以降は新築オフィスビルの供給が増加する見込みです。既に入居テナントの一部は決まりつつあると見られますが、既存オフィスビルからの移転を伴うため今後二次空室が発生する見通しです。市場全体として既にオフィス空室を抱えていることに加えて将来的な二次空室発生も懸念されることから、REITなどオフィスビルのオーナーはなるべく早くテナントを確保することを優先し賃料などの賃貸条件を柔軟化させています。物件間の競争も激化する見通しで賃料は当面上がりづらい展開が続きそうです。

新しい働き方がオフィス市況に与える影響に注目

コロナ禍当初は感染対策の観点からテレワーク導入が大きく進みましたが、最近ではフレキシブルで新しい働き方を可能にするツールとして恒常的にテレワークを活用する動きが出てきています。コロナ禍終息後もオフィス出社とテレワークを組み合わせたハイブリッド型の勤務体制を続ける企業が出てくると見られ、利用率が低下したオフィスの解約も当面続く可能性があります。

一方でオフィス出社時の社内コミュニケーションを活性化するために充実した共用スペースが必要となることや、従業員が出社するメリットをより感じられるように通勤しやすさや良好な周辺環境が重視されることから、これまで以上に立地やスペックの面で良質なオフィスが選好されそうです。

従来オフィスコストの削減を行なう場合、賃料の低い物件に移転するしか選択肢がありませんでしたが、現在ではテレワーク導入によりオフィス賃借面積を減らすことが可能となり必ずしも賃料が低いオフィスへ移転する必要がなくなりました。またコロナ禍後においても業績好調で喫緊のコスト削減の必要性が低い企業も多くありますが、そのような企業でも新しい働き方を導入しオフィス賃借面積を抑制しつつ立地改善を図るようなケースが出てきています。

今後良質なオフィスがより多くの需要を吸収する二極化が生じる可能性があり、新しい働き方がオフィス市況に与える影響が注目されます。

※当資料は、一部個人の見解を含み、会社としての統一的見解ではないものもあります。

「インベストメント・アウトルック2022年夏号」の続きは、こちらからご覧ください。

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(提供元:野村アセットマネジメント)