消費税率が8%から10%へと変わるまで1か月をきった──2014年の引き上げから5年半。またもやの増税に対する抵抗感を薄めようと、政府はあの手この手を繰り出してみせるが、その場しのぎの“おためごかし”に国民は惑わされるばかり。買い手・売り手のいらぬ負担や不安も募るばかりで……。

 今回、消費増税が行われるにあたって、初めて導入される軽減税率制度。消費者にとってはありがたい制度のようにも思える。が、やっかいなのは、その「対象」の複雑さだ。軽減税率8%の対象は飲食品、定期購読の新聞(週2回以上発行)とあり、標準税率10%の対象はお酒、外食、水道水、駅売りの新聞となっている。

 ところが、同じ飲食品でもテイクアウトや出前であれば8%、それに比べ、店内で飲食をすると10%の対象になってしまう。氷に関しては、保冷用と飲み物用で税率が異なるが、もはや保冷用か飲み物用かなどの用途については各個人の判断に委ねることとなる。基準がなんともあいまいだ。

 国税庁は、税務署や商工会議所等を通じ、全国で約6万回の説明会を開き、「申告ガイド」を約850万件の事業者に送付したというが、現場の深刻さは日に日に増すばかり。その複雑さに加えて、小売店側は「消費増税に対応する決済端末が不足している」と、ハード面での困難も生じている。

8%か10%か、店舗側も困惑

 価格表示についても、各店舗で揺れている。例えば、ローソンでは軽減税率対象商品の値札に「軽」が記される。そして、レシートには、対象商品の横に「軽」の文字が印字される(画像参照)。

 さらに、合計金額の下には内訳として、消費税率が10%・8%それぞれの合計額も示される。加えてここに、キャッシュレス決済による還元額まで示される。消費者側からすると、1枚の領収証に情報量が詰め込まれすぎていて、記載内容がわかりづらいものとなってしまっている。

 この仕組みに困惑しているのは店舗側も同じだ。いわゆるイートインを売りにしているコンビニがいい例である。買った「飲食品」を持ち帰れば8%、店内のイートインで飲食すれば10%という状況が生まれ、消費者側が安くなる「持ち帰り」を選択し、そのあとイートインを利用してしまう可能性もある。

 店舗側は、客の自己申告に従って適用すべき税率を判断し、表示方法を変えなければならない手間も含め、今後も解決すべき問題は山積みだ。

※女性セブン2019年9月19日号