コロナショックで企業の経営は厳しくなり、様々な業界でボーナスに甚大な影響が出ている。特に大きなダメージを負った旅行業界、航空業界、レジャー業界では、多くの企業でボーナスが削減される見込みだ。

 そのほかの業種にも冬のボーナス削減の影響が及ぶ。『経済界』編集局長の関慎夫さんが指摘する。

「労務行政研究所の調査では、非製造業より製造業の方が冬の賞与・一時金の落ち込みが大きかった。特に鉄鋼と機械の減額が目立ちました」

 大手鉄鋼会社の子会社勤務の夫を持つ40代女性が肩を落としてつぶやく。

「夫の会社はコロナで親会社からの発注が減って、35万円あった手取りが25万円になりました。さらに夏のボーナスは大幅にカットされて、『冬も覚悟しておいてくれ』と夫から言われています。子供が来年、中学受験をするのでそれに備えて貯金をしたかったのですが、生活を優先せざるを得ません。私がパートに出て教育費を稼ぐか、子供に受験を諦めてもらうかで悩んでいます」

 夫が住宅関連メーカーで働く30代女性も苦しい時期を迎えている。

「夫の会社は4月以降に受注が低迷して、業績が悪化。上から固定費削減の指示が出て、冬のボーナスがゼロになりました。毎月の収入はかろうじて変わりませんが、貯金の大半を夫のボーナスをあてにしていたので将来の不安が大きいです」

 コロナで最も打撃を受けた業種の1つが飲食業界だ。ラーメンチェーン大手の幸楽苑ホールディングスは、5〜7月に従業員の給料を20%カットして、夏のボーナスを支給しなかった。別の大手飲食チェーン店で働く40代男性社員が心境を語る。

「ここ最近になってようやくお客さんが戻りつつありますが、今年4月からの上半期の業績は大幅減です。まだ発表はありませんが、冬のボーナスに期待はできません。このままだと冬のボーナスで返済する予定だった15万円の車のローンが払えないかもしれない。ほかにも自動車税や駐車代のこともありますし、マイカーを手放すつもりです。

 また、足腰が悪くなった父親との同居を昨年末から考えて、自宅をリフォームしようとしていたのですが、資金が足りず遠のきそうです。車も売る予定なので、面倒を見に行くにも往復で2万円もかかる。もうどうしたらいいのでしょうか」

 長い低迷が続いたのち、インバウンド需要で息を吹き返したかに見えた百貨店業界だが、新型コロナで4〜5月の売り上げが約7割減るなど大打撃を受けた。百貨店に出店する各業種にも余波は及ぶ。アパレル大手に勤める20代女性が指摘する。

「いまになっても百貨店の客足は戻りません。『3密』が問題になるから積極的にセールを実施できず、会社からは『冬のボーナスは諦めてくれ』と言われています。奨学金を返済しており、毎年2回、ボーナス払いをしていたので返済に不安が募ります」

 コロナ対策に奔走した医療従事者も冬の時代を迎える。関東地方の総合病院に勤務する50代医師が語る。

「新型コロナによって外来患者数も入院患者数も激減して、病院の経営状態は極めて悪くなりました。冬のボーナスの減額は間違いなく、もらえればまだいい方です。院内感染の恐れがあるなかで必死に医療を提供してきたのに、医療従事者がボーナスどころか減収になるのは納得いきません。このままいけば、看護師400人超が退職を希望した東京女子医大の二の舞になりかねません」

※女性セブン2020年10月29日号