死後まで続く親子の難題が「墓」だ。年間9万7317件(2016年度・厚労省調べ)と年々急増しているのが、先祖代々の墓を閉じ、別の場所に移したり、永代供養する「墓じまい(改葬)」だ。葬儀・お墓コンサルタントの吉川美津子氏が話す。

「“墓じまい”の理由の多くは『実家の墓が遠くて墓参りに行けない』『墓を継ぐ人がいない』などです。ニーズの高まりとともに、『改葬しようと思ったが親が知らないうちに検討先とは別の場所に墓を買っていて反対された』などのトラブルも増え、事前に親子間でお墓について話し合う重要性は増しています」

 親に勝手に墓を買われ、改葬するしかなくなると、多額の出費を強いられる。親が檀家となった寺からの改葬の場合、離檀料を取られるケースが多い。寺によってまちまちだが、相場は10万〜50万円だ。

 離檀料は、寺が独自に決められるため、最近では檀家をやめさせないために100万〜200万の離檀料を請求する“悪徳寺”もあるという。

 離檀したとしても、宗派の違いなどで移転先でもう一度戒名をつけ直さなければいけないケースもある。その場合、平均約40万円の戒名料が2回も取られることになる。

 このような費用を省くため、遺骨を他の人と一緒に埋葬する合同墓など、安い墓にするという選択肢もあるが、親が生前に望んでいなければ、子供としては選びにくい。やはり、親が元気なうちに決めておくことが無駄な出費を防ぐ手立てになるのだ。

※週刊ポスト2018年3月23・30日号