資産を2倍にする──。誰もが目指すものの、残念ながら、その多くがなかなか達成できない目標でもある。

 そもそも資産を増やすには、株式の売却益など、保有する資産の価格が変動することによって得られる利益(キャピタルゲイン)と、預貯金の利息や不動産の家賃収入のように、資産を保有することで安定的・継続的に収入を受け取る方法(インカムゲイン)の2通りがある。キャピタルゲインで資産を2倍にすることはイメージしやすいかもしれないが、一見、地味に見えるインカムゲインで実現させるのは、なかなか想像しにくいかもしれない。

 そのカギとなるのが「運用によって増えた元本の利息がまた元本に組み入れられて雪だるま式に増えていく『複利効果』です」というのは、ファイナンシャル・プランナーの藤川太氏(家計の見直し相談センター・代表)だ。以下、藤川氏が解説する。

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 お金持ちになるために不変な基本法則を説いた世界的名著『バビロンの大富豪』(ジョージ・S・クレイソン著)には「7つの極意」が記されており、その3つ目が「貯めた資金を寝かさず、増やしていく」というものです。そして、その極意を最大限に活かす手法が「複利効果」といえます。

 たとえば、10枚の銀貨があるとして、年利10%なら1年後に11枚、2年後には単純に1枚が加算されるのではなく、「12.1枚」となります。この「0.1枚」分が利息から生まれた複利効果です。そして、これが1、2年ではなく、10年以上続いていけば、ドライブが効いて雪だるま式に増えていく。それが複利効果の最大のメリットといえるでしょう。

 ところで、資産を2倍に増やすために何年かかるかを簡単に計算できる「72の法則」というものをご存じでしょうか。

 これは72を年利(%)で割ることで、資産を2倍にするために必要な年数がわかる計算です。たとえば年利6%なら、72÷6=12となり、12年で2倍になる。これが年利1%なら、72÷1=72年もかかることになり、現在のような超低金利下で年利0.01%という雀の涙のような預金金利なら、72÷0.01%=7200年もかかってしまうことになります。

 また、これを応用すれば「〇年間でお金を2倍にするために必要な利率」も計算できます。たとえば10年間で資産を2倍にしたいのなら、72÷10年=7.2%。5年で2倍を目指したいなら、72÷5年=14.4%のリターンを目指す必要があります。

 ぜひ、この「72の法則」を頭に入れて、「利率がこれだけなら〇年で資産倍増が目指せる」とか「〇年で資産倍増を目指したいから年利×%を目指す」といった長期的な目標を立て、実践に役立ててほしいと思います。高いリターンを目指せば高いリスクを覚悟する必要があります。でも、この法則を知れば、超低金利時代ではリスクを取らないかぎりお金を増やせないことを実感できると思います。