渋谷駅と直結している東急百貨店東横店が、渋谷駅周辺の再開発に伴い、2020年3月31日で営業終了となることが発表された。地下の食料品売り場は、営業が継続される。

 東急百貨店東横店は1934年に開業。2度の増築を経て、東館、西館、南館の3館体制で営業していたが、2013年に東館が閉館。近年は2館体制となっていた。営業終了後は、西館・南館ともに取り壊され、跡地には「渋谷スクランブルスクエア」の第2期棟が建設される予定だ。

 86年の歴史に幕を閉じる東急百貨店東横店だが、その営業終了にショックを受ける利用者も多い。

 会社員の女性Aさん(40代前半)は、頻繁に西館9階の「東急レストラン街」をよく利用していたという。

「私は渋谷駅を経由して通勤しているので、しょっちゅう渋谷駅周辺で買い物をしたり、食事をしたりするんですが、なかでもお気に入りなのが、東急東横店のレストラン街。とにかく駅に直結しているのが嬉しい。渋谷駅周辺に詳しくない友人と食事をする際でも、駅の上であれば迷わずに行けますからね。あと、高齢の母親と食事をするときなども、東横店であれば人混みを歩かずに行けるので助かるんです」

 自営業の男性Bさん(30代後半)は、東横店のレストラン街について、こんな印象を抱いている。

「渋谷駅の上という最高の立地にも関わらず、東横店のレストラン街が実はそこまで混んでいない印象でした。逆にJRや地下鉄の渋谷駅からちょっと距離があるヒカリエのレストラン街のほうがとても混んでいる。駅から近いうえに、待ち時間もなく食事ができる穴場です」

 東急東横店の「東急レストラン街」には、とんかつの『まい泉』、中華料理の『銀座アスター』、うなぎの『渋谷松川』、寿司の『下高井戸 旭鮨総本店』など、12店舗が入っている。

「ヒカリエに比べると店舗数は少ないのですが、十分に選べるだけのお店があります。お値段はそこまで安い店ばかりではありませんが、それはほかのデパートのレストラン街も同じ。近くて空いているということのメリットは大きい。だからこそ、営業終了はショックです」(Bさん)

 しかし、AさんもBさんもレストラン街以外のフロアはあまり利用していないという。

「銀座線のホームからすぐ行ける南館3階の『伊東屋』で文房具を買うことはありますが、それ以外のフロアで買い物をすることはほとんどありません。化粧品なども、渋谷だったら西武で買うことが多いし、洋服はネットで買うことが増えています。そういう意味では、もし再開発で東急東横店が新たに出店するのなら、魅力的なレストラン街に期待したいです」(Aさん)

 営業終了まで半年余りとなった東急百貨店東横店。レストラン街の根強いファンたちからは、まだまだ惜しむ声が聞こえてきそうだ。