総務省「社会生活基本調査」によれば、映画館での映画鑑賞の平均行動日数は、2006年からの10年間で全年代において減少。10代から20代の若い世代に至っては、映画自体を観る機会が低下している傾向にある。 映画館へ足を運ぶ機会が減ったという人たちに、その理由を聞いてみた。

映画代1900円は高すぎる

 鑑賞料金の高さを理由に、映画館から遠のいたと語るのは、20代の男性会社員・Aさん。

「今では1900円に値上げするシネコンも。鑑賞時にポップコーンやソフトドリンクを買うと、1回の鑑賞に3000円近くかかってしまう。動画配信サービスであれば月額1000円ほどで見放題だし、レンタルの場合も1回数百円で済む。優先順位の高い他の趣味にお金を使いたいので、あえて映画館を選ぶことは減りましたね」

集中力は「10分が限界」

 20代の女子大学生・Bさんは、自身をはじめとする若い世代は、映画館で映画作品を楽しむための「集中力がない」と分析する。

「YouTube動画は長くても10分前後。ちょっとした隙間時間でも楽しめるし、面白くなかったら、他の動画に切り替えればいい。最近では、30分のテレビ番組ですら、長く感じてしまいます。同じ作品を2時間以上見続ける忍耐力もなく、思わず席を外したくなります。

 また、家で映画を観るときもスマホを片手に、Wikipediaでストーリーや登場人物を確認しながら観る習慣がついている。そうでなくてもSNSに返信したり、別番組を観たりなど、必ず何かしながら映画を観ているので、そういったことができない映画館は、まあまあの苦痛です(笑)」

鑑賞の時間を作れない

 かつては映画鑑賞が趣味だったが、現在では家庭が最優先となり、映画館から離れてしまっているというのは30代の女性会社員・Cさん。

「独身時代は、週に一度は映画館へ行っていましたが、今は子供の都合が最優先。子供連れでも楽しめる“赤ちゃんシアター”もありますが、平日の昼間開催で、専業主婦以外は正直足を運びにくいのではないでしょうか。子供がもう少し大きくなれば、一緒にアニメ作品などを観に行くこともできそうですが、自分だけのために映画館に行くのは、仕事か家事を犠牲にしなくてはいけない。今は家で、スマホで少しずつ観るというスタイルで十分です」

 とはいえ、全員に共通していたのは、誰もが話題にするような大ヒット作であれば、映画館での鑑賞を選びたい、という点。大きなスクリーンで、集中して観られる映画館の需要がなくなったわけではない。映画館離れを食い止めるためには、魅力ある作品が何よりも重要ということだろう。