2021年からの英語民間試験と記述式の導入をめぐって揺れに揺れた大学入試センター試験が今年もやってくる。共通一次時代を含めると40年に及ぶ大学入試センター試験には数多のドラマがあった。ここでは試験会場で実際に起こった笑えないトラブル集を紹介しよう。

試験監督官のケアレスミス続出

 板書の指示を忘れたり、終了前にチャイムが鳴ったりするなど、試験会場では毎年ミスが起こる。2001年には奈良教育大学の会場で外国語を7分も早く始める“事件”があった。開始前、試験監督がマニュアルに書いてある注意事項を伝えていたところ、最後の「解答始め」という部分まで読み上げてしまい、受験生が問題をめくってしまった。

 終了時間は7分繰り上げられ事なきを得たものの、新聞沙汰に。2003年の二松学舎大の柏沼南キャンパス会場では、問題配布が遅れて時間が短縮されたにもかかわらず、試験監督が大学入試センターへの報告を怠った。受験生の父親が抗議し、史上初めて試験監督のミスによる追試が認められた。

リスニング不具合も試験監督が聞く耳持たず

 導入初年度は混乱をきたす──。センター試験のジンクスは2006年から始まった英語のリスニング試験にも当てはまった。ICプレーヤーの音声が止まったり、音量が不安定だったり、イヤホンが故障したりするなどのトラブルが多発。全国301会場で461人が再試験の対象者となった。

 中には、受験生が不具合を申し出たにもかかわらず、試験監督がそのまま続けることを指示したケースもあった。筆談でのやり取りだったため、意思疎通を欠いたことが原因だという。事態を重くみた大学入試センターは試験初日の深夜に記者会見を開き、「受験生の操作ミスはない」と謝罪。だが、この年以降もICプレーヤーの故障は年中行事のように起こっている。

問題配布が遅れ3886人が再試験の対象者に

 2012年、地理歴史と公民の受験方法が変更され、問題冊子が2冊になったため、配布に手間取り開始時間が遅れるハプニングが多発。試験前の説明に時間が掛かったために開始が遅れたケースなども含め、全国123会場7515人の受験生が影響を受けた。

 試験監督官のマニュアルに2冊同時配布が明記されていなかったため混乱が生じ、他のトラブルを含めた再試験の対象者はなんと3886人に。過去最多だった2008年の3倍以上もの数になった。同年は、他にもミスが連発したため、大学・高校関係者、弁護士、危機管理の専門家など8人で構成される検証委員会が設置されたほどだった。

●イラスト/トーマス・オン・デマンド(アスタリスク)

※週刊ポスト2020年1月17・24日号