発がんリスクのある「肥育ホルモン」が含まれたアメリカ産牛肉が激増──。2月7日の財務省の速報で、アメリカ産牛肉の輸入量が前年の122%に増加したことがわかった。ますます増える“恐怖の牛肉”は、そこかしこに潜んでいる。

 都内にある全国チェーンのファミリーレストラン。パート主婦の坂田さん(仮名)は家族で来ることが多いという。

「ここなら、家族みんなの食べたいものがあります。夫はサーロインステーキ、中学生の息子はチーズハンバーグ、小学生の娘はビーフシチューがお気に入り。食材を買って自炊するより安いメニューもあるんですよ! 月に何回かは利用しています」

 カラフルなメニュー表を見ると、ステーキには「アンガス牛」の表示。ただ、ハンバーグにもビーフシチューにも、表示はなかった。実はそれ、すべてアメリカからの輸入牛である。

 今年1月から関税率が下がり、輸入量が激増しているアメリカ産牛肉には恐るべき問題点がある。

 多くのアメリカ産牛肉には、牛の生育を早め、飼育コストを下げることを目的に天然や合成の性ホルモンから作った「肥育ホルモン剤」として女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)が投与されている。1970〜1980年代にかけて、そうした肉を食べた幼い女の子の乳房がふくらんだり、月経が起きるなどの異常な性発育が続出した騒動以来、EUでは1988年に肥育ホルモンの使用が、1989年には肥育ホルモンを使った肉の輸入が全面禁止となった。その後、EU諸国では乳がん死亡率が20%以上減ったという。

 一方、国産牛肉と比較した研究では、アメリカ産牛肉からは赤身で600倍、脂身で140倍もの女性ホルモン(エストロゲン)が検出されたという報告がある。

 倫理上“人体実験”ができないため、人体への影響は完全には証明できない。しかし、肥育ホルモン使用牛のリスクは見逃せるものではない。当の米国でも「ホルモンフリー」の肉が人気を博すなど、世界中で問題視され、避けられている。無邪気に食べているのは日本人だけなのだ──。

「スーパーで原産地表示を確認して、アメリカ産牛肉を買わなければいいのでは?」と思う人もいるだろう。

 たしかにスーパーの生鮮食品は、原産国名表示が必須。しかし、果たしてその「アメリカ産」だけを避ければ、口にしなくて済むのだろうか。

「加工食品は、重量が最も多い食材が肉でない限り、産地を明記する義務はありません。レトルトカレーから冷凍コロッケまで、さまざまな商品に牛肉は入っています。また、お総菜など、作ったその場で販売される食品は、『お店の人に確認することができるから』という理由で、原料原産地表示は不要。肉じゃがや牛肉の炒め物、最近ブームの牛カツだって、安いアメリカ産である可能性は充分あります」(食品ジャーナリスト)

 産地を尋ねられて即座に答えられる店員が、果たしてどれくらいいるのだろう。

※女性セブン2020年2月27日号