新型コロナウイルスの影響で、人々の生活様式が様変わりしている。飲料総研の調べによると、4月の清涼飲料の出荷数は前年比19%減。特に自動販売機経由は33%と大きく落ち込んでいる。テレワークの普及でオフィスに設置された自動販売機の利用者が減ったことが大きな理由だと考えられるが、そもそも「自販機飲料を飲む」というスタイルをやめた、という声もある。

 30代の男性会社員・Aさんは、自粛前には自動販売機を頻繁に利用していたが、在宅勤務を経て通常出勤に戻ったいま、以前との自分の違いに気がついた。

「前は、何かしらついつい買ってしまう癖がありました。最寄り駅までの道のりで新製品が目につくと買ったり、駅のホームで電車の待ち時間に手持ち無沙汰になるとコーラやエナジードリンクを買っていたり……。土日も、のどが渇くと頻繁に利用していました。さらに最近は、スマホ決済で簡単に購入できることから、それに拍車がかかっていました」(Aさん)

 そんなAさんは、在宅勤務になってから生活スタイルが一変した。Aさんはもともと炭酸飲料が好きだが、炭酸が抜けやすいことから大容量ボトルを敬遠していた。それが、「ずっと自宅にいるから関係なくなった」と話す。

「通勤していたときは、家にいるのは夜だけ。だから、できるだけ少ない量でベストな状態で炭酸を楽しみたかった。でも、在宅勤務で1日中家にいるとなると、その前提が崩れてしまい、1.5リットルのペットボトルをスーパーで購入した方がラクだし得。在宅勤務明けも、それが習慣化してしまい、朝、職場の近くのコンビニかドラックストアで購入し、職場の冷蔵庫に保存しています」(Aさん)

 20代の男性会社員・Bさんは、新型コロナ騒動以降から、自動販売機の利用を躊躇してしまうようになった。「衛生面が心配」と話す。

「不特定多数の人が触っていると思うと、ボタンをなるべく触りたくない。また、潔癖過ぎると思われるかもしれませんが、ペットボトルならまだしも、缶だと、直接口をつけたくないと思うようになったので、ストローが欲しい。コンビニならストローをもらえますが、自販機だとそれがない。コロナが落ち着くまでは、自販機利用はちょっと躊躇してしまいそうです」(Bさん)

 自販機本体になるべく触りたくないという問題については、飲料各社が抗菌フィルムを商品ボタンなどに貼るといった対策を講じ始めている。消費者のライフスタイルの変化に合わせ、飲料業界も新たな戦略を迫られそうだ。