新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言後、ニュースで大きく取り上げられる機会が多かったパチンコ店。地方自治体からの休業要請に応じないホールの店舗名を自治体が公表するという事態にも発展した。

 しかし、緊急事態宣言が解除されると、パチンコ店に関するニュースも減少。各店舗が感染対策を実施したうえで、営業を再開している。現状について、パチンコ業界に詳しいフリーライターの藤井夏樹氏が、こう話す。

「ほとんどのホールは、来場者にマスクの着用を義務付けたり、手袋を無料で提供したりする形で感染予防に取り組んでいます。台と台との間に仕切板を新たに設置するホールや、1台おきに電源を落として客同士の距離を保つホールもあります。台のアルコール消毒も頻繁に実施し、消毒が終わった台に“消毒済み”の札をさげるというホールも多い。各ホール、感染予防にかなり気をつかっている印象です」

 客入りはどうなのだろうか。

「コロナ前と比較すると、全体的にお客さんは減っています。特に小規模ホールについては、常にガラガラというケースも珍しくない。そもそも、ここ数年のパチンコ業界は、小規模ホールが苦戦を強いられて、大規模なチェーン店に客が集まりやすいという傾向がある。コロナ後は、その傾向が強まっている印象です」(藤井氏)

 では、パチンコ・パチンコファンたちは緊急事態宣言解除後、どうしているのだろうか。パチンコファンの生の声を聞いてみた。

コロナ休業で完全に足を洗った

 神奈川県に住む会社員・Aさん(20代男性)は、学生時代からのパチスロファン。主に週末にパチスロを打っていたという。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大によって、その生活は変化した。

「ここ数年は、パチスロにどっぷりハマるというよりは、なんとなくストレス解消がてら、惰性で楽しんでいた感じ。そんななか外出自粛生活になって、パチンコ店に行けない状況ができたら、途端に興味を失いました。前なら、暇な時間があると、“ちょっと打ちに行こうかな”なんて思ったんですが、強制的に行けなくなると、すっかりその習慣が断ち切られ、今はまったくそういった発想にならなくなりました」

 そんなAさんは、現在どんなことをしてストレスを解消しているというのだろうか。

「ゲームをやったり、ネットで海外ドラマを観たりです。基本的に家の中で時間を潰せるようになりました」(Aさん)

 東京都在住の自営業・Bさん(30代男性)は、コロナ前までは週に2〜3回パチンコを打っていたというが、Aさん同様、コロナ後は一切パチンコ店に足を運んでいないという。

「パチンコ店が休業している間、驚くほど“お金が減っていない”ことに気がついたんです(笑い)。パチンコで負けないと、こんなにお金が減らないものかと、今更ながらに実感しました。そうなったら、パチンコに行くのが本当にバカバカしく思えてきて。以前はしょっちゅうATMでお金をおろしていましたが、パチンコをやめたらATMにも行かなくなりました。残高を気にすることもなくなって、気持ちに余裕が出てきたようにも思います」(Bさん)

パチスロ「6.1号機」登場で何が変わるか

 一方、パチンコはやめたが、ほかのギャンブルを楽しんでいるという人も。埼玉県に住む会社員・Cさん(40代女性)はこう話す。

「パチンコ店が休業している間も開催していた、ボートレースや競輪などの公営競技にハマりました。ネットで投票もできるし、おうち時間にはもってこいだなと思って。ただ、毎日ギャンブルが“できてしまう”ので、たまに負けが込んでマズいと思うことはありますが、パチンコを毎日のように打っていた時に比べると、負け額は少ないですね」

 コロナ後の今のほうが、むしろ快適にパチンコを楽しめているという意見もあった。都内在住の自営業・Dさん(40代男性)は、ここ最近2日に1回はパチンコを打ちに行っているという。

「台と台の間に仕切板ができたことで、周囲があまり気にならなくなって、快適なんです。それに私はタバコを吸わないので、4月からホールが全面禁煙化したことも好都合。感染リスクについては、店員さんに頼めば台の消毒もしてくれるし、店内の換気も頻繁にやっている。少なくともコロナ前よりは清潔な気がします。あと、お客さんが以前よりやや少なめなのも、快適な理由のひとつです。ちなみに、勝率は緊急事態宣言の前も後もあんまり変わらない。少なくとも、“コロナ後は勝てるようになった!”なんていうことは、まったくないです(笑)」(Dさん)

 今後のパチンコ業界の動向について、前出・藤井氏はこう予測する。

「コロナの影響で倒産する店舗も多いし、新台導入数も落ち込んでいます。ユーザーもどんどん減っていくだろうし、いずれにしろ厳しい状況が続くでしょう。そんななかで、遊技機に関する規則が変わり、今までよりもユーザーに支持されやすい機種が出てくる可能性も高くなっています。

 特にパチスロでは、6.1号機と呼ばれる機種が近々登場する予定です。この6.1号機では、1000円あたりの回転数を既存の6号機よりも5〜10ゲームほど少なくすることが可能になっています。その分、使うお金は増えるかもしれませんが、回転数が減った分を出玉にもってくることができる。つまり、6号機よりも多少は出玉の波が荒い機種が可能となり、より大きく勝てるかもしれないということになります。もちろん5号機時代のような機種が可能となるわけではないものの、“6号機よりはマシ”になるのではないかと期待の声も多いです」

 新型コロナウイルスをきっかけに、パチンコ・パチスロとの向き合い方が変化するユーザーも多い。パチンコ業界もまた、その変化に対応すべく、様々な変化が起きそうだ。