日本フランチャイズチェーン協会によると5月のコンビニ売上高は、新型コロナウイルスの影響で、既存店ベースで前年同月比10%減の8095億円。過去2番目のマイナス幅を記録した。

 そうしたなか、伊藤忠商事がファミリーマートへのTOB(株式公開買い付け)で完全子会社化を目指すと発表。すでに50.1%の株式を保有する伊藤忠の買い増しの意図について、経済ジャーナリスト・河野圭祐氏はこう解説する。

「同じような店が大量にあっても生き残れないと判断し、伊藤忠はビジネスモデルを抜本的に変えるつもりでしょう。具体的な戦略はまだ見えないが、ファミマを上場廃止して非公開化した上で、他社の後塵を拝していた商品力の改革などに取り組む考えではないか」

 全国どこでも、同じような商品が手に入る――それが魅力となる時代はすでに曲がり角に差し掛かっていたが、コロナによる苦境で他業種の総合商社が経営に本格的に乗り出し、変革が加速するという見方だ。

 他社との差別化では、ローソンが親会社である三菱商事が大株主となっている良品計画との提携を発表。セブン-イレブンは、「商品開発力を武器に、従来型のコンビニモデルを深掘りする方向」(同前)と生き残りを懸けた戦略はそれぞれだ。

 ただ、社会におけるコンビニの役割が変わっていくのは確かそうだ。

「かつてファミマはam/pmやサークルKサンクスを買収したものの、結果的に大幅に店舗数を縮小した。今後はさらに、出店するかの判断が厳格になっていくだろうし、現存店舗の整理や時短も進んでいくと見られる」(同前)

 コンビニの大量出店は、利用者の利便性だけでなく、アルバイトを含めた多くの雇用を生んできた。その前提は大きく変わろうとしている。

※週刊ポスト2020年7月31日・8月7日号