コロナ禍、生活に身近な存在である飴の消費が落ち込んでいる。キャンディ業界大手カンロが8月6日に発表した2020年度上半期(1〜6月)の売上高は、前期比5.4%減の111億5200万円。営業利益は31.1%減の3億4400万円だった。キャンディ市場全体も3月以降減少に転じ、前年比 7.5%減の390億円に縮小傾向にあるという。

 コロナに伴い通勤・通学時の喫食シーンが減少したことに加え、マスク着用によるのど飴需要の減少、インバウンド需要の減少などが背景として考えられ、同社は「巣ごもり需要は、キャンディ市場への追い風とはなっていない」との見方を示している。“飴離れ”をしている人たちの声を聞いた。

 20代の女性会社員・Aさんは、朝はいつも飴を舐めながら出勤していたという。だが、在宅勤務で“ルーティーン”は一変した。

「私は、朝はギリギリまで寝ていたいタイプ。朝食は食べず、エネルギーとして飴を舐めながら通勤するのが日課でした。在宅勤務になってからは、時間に余裕が出てきたので、簡単なものを作るようになりました」(Aさん)

 30代の女性会社員・Bさんも、在宅勤務になってから飴を舐めなくなったという。

「飴は、職場の共有スペースに常時ストックがありました。気分転換や、作業中に口がさみしいから舐めている状態だったと思います。飴って、基本的に“ながら”で舐めるものじゃないですか。ガッツリ休憩をとるほどじゃないけど……という時に、仕事しながら、運転しながら、みたいな。でも、在宅勤務だと、自分の好きなときに休憩できる。ガムとともに、飴もすっかり口にしなくなりました」

 新型コロナ感染拡大以降、マスクの着用が新しい日常になった。30代の男性会社員・Cさんは、マスク着用で明らかに飴を舐める機会が減ったと話す。

「日常的にのど飴を舐めていましたが、マスクをつけるようになってから舐めていません。自分はマスク着用しながらのど飴を舐めると、のど飴の成分を含んだ息がマスクの上から漏れて、目がスースーして痛くなるんです」(Bさん)

 しかし、新型コロナ感染予防のおかげで、のどの不調や口臭対策には変化が見られた。

「特にこの時期はエアコンをつけていると、のどがイガイガすることが多かったのですが、日常的なマスク着用のおかげで保湿されているのか、改善されました。これまで口臭エチケットとして飴を舐めることも多かったのですが、マスクがあるから口臭を過剰に気にしないで済むようにもなってますね」(Cさん)

 60代の女性・Dさんは、いつもバッグのなかに飴をストックしていた。誰かにあげたり、電車やバスの中で食べたりするためだ。

「人に会わなくなったし、どこかに出かけることがなくなると、飴の消費量が一気に減りました。家の中では、飴ってそんなに食べないものですね」

 普段から一定量をストックしておいた分の在庫処分に困っていたDさん。意外なところで活躍しているという。

「紅茶に入れると、味がついておいしくなるんです。意外だったのは料理にも使えるということ。いろいろと試してみて、黒糖飴などはカレーとの相性がいい感じがしています」(Aさん)

 実際、カンロは今年4月にカンロ飴を使った料理レシピを紹介するサイト「カンロ飴食堂」をオープン。調味料としての飴の活用術を提案している。これまで通りの展開で生き残っていけるほど、“甘い市場”ではないようだ。