コロナ禍で、生活が大きく変わった会社員は多いだろう。在宅勤務がメインになり、ランチを家で食べるようになったほか、夜の飲み会も激減……。そんな生活スタイルの変化は「お小遣い」にも影響を与えているようだ。

「在宅勤務になって、妻からの突然の“減額宣告”に震えました。飲食代がまるまるカットされたんです。仕方ないとはいえ、自由になるお金がないのは、息が詰まります……」

 そう悲しみを訴えるのは、40代の男性会社員・Aさんだ。「在宅勤務は好きじゃない」と肩を落とす。普段は滅多に声を荒らげたりしない温厚なAさんだが、このときばかりは、たまらず妻に「それはないだろ」と強く当たったという。

「すると、妻から『飲食は家で済ませるんだから、当たり前でしょ?』『前より光熱費もかかってるんだから、もっと家にお金をいれてほしいくらい』とキレられました。在宅勤務前のお小遣いは月額3万5000円でしたが、今は3万円減って5000円に。妻は『3万円分は、もともと飲食手当。実質、“減額”でもなんでもない』と笑顔で言い放ちました。でも、最近になって5000円の雲行きも怪しい。マスクやらネット回線やらでお金がかかるというのがその理屈で、もはやゼロにされてしまいそうです……」(Aさん)

 30代の男性会社員・Bさんの家庭も、財布は妻が握っている。日頃、妻から“交通費”の名目でもらっているお小遣いを少しでも浮かせるため、最寄りの駅までのバス利用を自転車に変更。歓迎会や送別会が多いシーズンには、飲み代を“水増し請求”するなど、「コロナ前は僕なりに工夫してきた」というが、在宅勤務で状況は一変した。

「在宅勤務になり、妻からは『交通費を払う理由がない』と言われ、打ち切られました。飲み会もなくなり、ストレスを発散できないうえに、ポケットに入れられるお金も消滅。正直、鬱々としています」

 コロナ以前は5万円、3、4月は7万〜8万円の“支給”を受けていたというBさん。特に飲み会も多い春先は1年のうちでもっとも「楽しい時期」だったというが、今年は「3万円」に減額されてしまったという。

「全額カットされても文句は言えない」

 こうしたお小遣いの減額で悲痛な叫びが聞こえてくる中、少しでも自分で使えるお金を確保するために、副業を始める人もいる。お小遣いをいきなりゼロにされてしまった40代の男性会社員・Cさんは、「減額ならまだましも、全額カットはさすがに辛かった」と苦しい胸の内を明かす。

「在宅勤務で残業代があてにならなくなり、ボーナスも30%カットされました。だからとって、自由になるお金がゼロでは辛い。読みたい本もあるし、趣味のフィギュア集めにもお金がかかる。

 幸いなことに会社は副業を認めてくれているので、今は土日を中心にコンビニで働き始めたほか、メルカリで不用品を売っています。在宅勤務で残業がほぼなくなり、体力的にも時間的にも余裕ができたからこそですが、お小遣いのためにアルバイトをするとは、まるで学生の気分です」

 一方でCさんの妻は、パートを辞めて派遣社員として働くことに決めたという。その懸命な姿を見てCさんは、「あまり文句は言えない」と感じるようになった。

「『少しでも家庭の足しになれば』と言う妻の姿を見て、お小遣い全額カットで騒ぐ自分が恥ずかしくなりました。ひとまず、来月には子どもと一緒に、ささやかながら妻の就職お祝い会を開こうと計画しています」(Cさん)

 コロナ禍はサラリーマンのお小遣い事情にも直撃し、悲喜こもごもの家庭のドラマを生んでいるようだ。