年金激減時代には、公的年金に頼らず老後資金を増やすことも考えなくてはならない。加入者が毎月掛け金を積み立て、60歳以降に受け取る「じぶん年金」だ。

 個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」ばかりが注目を集めるが、“年金博士”こと社会保険労務士の北村庄吾氏は「個人年金保険」が検討に値すると話す。

「毎月保険料を積み立て、将来そのお金を年金として受け取れる貯蓄型保険です。貯金と同じ仕組みだからわかりやすく、少額から積み立てられます」

 個人年金保険のメリットはわかりやすさだ。

「民間保険会社の商品で保険外交員が手続きをサポートしてくれます。運用する金融商品の種類が多く、加入手続きが煩雑なiDeCoよりハードルは低い。ただし、個人年金は種類が豊富で、種類によっては元本割れする商品もあり、その解約返戻金も解約時期によっては、満額戻らないことがある点には注意が必要です」(北村氏)

節税メリットを比較しよう

 現在、低金利で利率は低いが、積立金を所得控除できるメリットもある。

「年間8万円を超える額を保険料として預けると、最大で4万円を所得控除できます。年収500万円の人が毎月7000円、年間8万4000円を積み立てれば、所得税と住民税合わせて1万円ほどの節税になる。注意したいのは、加入の条件によっては生命保険料(個人年金保険料)控除の対象とならない場合があること。節税メリットを最大限享受するには、個人年金保険料控除の対象となる条件に合致しているか、保険会社の担当者などに確認しましょう」(北村氏)

 だが節税メリットは、掛け金が全額所得控除の対象となるiDeCoに軍配が上がることも事実だ。

 iDeCoの毎月の掛け金の上限は、会社員は原則2万3000円。2022年5月以降は加入要件が緩和され、これまで原則60歳までだった掛け金の拠出期間が65歳までに延長される。

 年収500万円の50歳会社員が月2万3000円を15年積み立てると節税額の合計は82.8万円。年収700万円なら、124.2万円まで節税額がアップする(図参照)。

「50代以降に子供に手がかからなくなって余剰資金ができたら、iDeCoで節税メリットや運用益を享受するのが有力な選択肢です」(北村氏)

 最新ルールに対応した最強の生活防衛策を講じるためには、早めの動きが大事だ。

※週刊ポスト2020年10月16・23日号