みずほフィナンシャルグループは、みずほ銀行などグループ6社の社員約4万5000人を対象に、今年12月から「週休3日・4日制」を導入する方針を明らかにした。

 このニュースが伝えられると、ネット上では〈働き方の選択肢が増えるのはいいこと〉〈介護や子育てに活用できる〉といった肯定的な意見から、〈給料減るなら意味ない〉〈リストラの一種では?〉といった意見まで賛否の声が溢れた。

 みずほFGだけでなく、近年、ユニクロや佐川急便など「週休3日制」を導入する企業が増えている。しかし、3大メガバンクの一角が「週休4日制」で週の半分以上を休みにするとなると、随分思い切った印象だ。

 こうした変化に戸惑いを覚えるサラリーマンもいる。食品メーカーに勤めるA氏(59)は語る。

「我々が働き盛りだった頃は週休1日で、家庭のことは妻に任せて仕事が最優先。夜も接待や仕事関係の飲み会で埋まっていて、日曜だけしか顔を合わさないから子供が懐かないという話がある種の“サラリーマン武勇伝”でした。

 それが週休2日になって土日に何をしたらいいのか困っていたのに、今度は週の半分以上を休むなんて、もはや社会人と言えないような気がしてしまう……」

 1980年代までは休みといえば日曜の1日のみ。土曜にいわゆる“半ドン”の半日休みが一般的で、それ以外は「企業戦士」としてモーレツに働くことが美徳とされていた。

 それが昭和から平成にかけて週休2日制に移行する動きが活発化し、1992年には国家公務員が完全週休2日制に移行。いまや週休2日が一般的な働き方となっている。

“モーレツ社員”だった50、60代が「週休4日」に困惑するのも無理はないが、社会保険労務士の北村庄吾氏はこう語る。

「今の若い人たちは土日休みで残業なし、自分の時間を自由に使いたいという人が多い。その意向を汲んだ流れといっていいでしょう。

 働き盛りの人たちも育児や介護などの事情を抱えている。それぞれの事情に合った働き方ができるのであれば給与が減っても会社を辞める必要もなく働ける。そうした仕組みになってきているのです」

 北村氏のもとには60代の男性から「せっかく再就職した会社は残業もない、会社帰りに飲みにも行かない、物足りない。このまま休みが増えるとどうしたらいいのかわからない」といった相談の声は少なくないという。

「再雇用ですでに週休4日になっている60歳前後の世代は多く、虚しさや寂しさ、脱力感を訴える人がいます。モーレツ世代は仕事に依存してきたため趣味もなく、自分の時間があっても持て余してしまうのです」(北村氏)

※週刊ポスト2020年10月30日号